サンフランシスコ発--次期バージョンのPlayStationにも搭載される「Cell」プロセッサ。このプロセッサの特徴は、高度な科学技術調査に利用できるほど高性能であるにも関わらず、容易にプログラミングできる点だ。
米国時間3日、Cellの開発に従事したあるチーフアーキテクトはこのように述べた。現行のPlayStation 2に搭載されたプロセッサの複雑な回路 を覚え始めたばかりのゲーム開発者の間では、Cellプロセッサが出現したおかげで、プログラミングの負担がさらに増えるのではとの不安が広がっていた。発言は、そうした不安を和らげるためのものだった。
IBMのSystems and Technology部門に所属する研究者のH. Peter Hofsteeは、IBMがプレス向けに当地で開催したイベントの休憩時間に、「アーキテクチャ技術を革新させることと、技術を利用し易いものにすることのバランスが大切だ。開発者はこれまでのものより著しく簡単に、Cellについて学習できるはずだ」と語った。
IBM、ソニー、東芝の3社がCellプロセッサの開発計画を発表したのは3年前。このとき3社は、膨大なマルチメディアタスクを処理する高性能プロセッサの構想を披露した。各社は先週初め、来年の早い時期にCellプロセッサの試作を開始する予定であることを明らかにした。また、Cellベースの初めての製品となるコンピュータグラフィック製作用ワークステーションは、2006年後半に登場する予定だという。
ソニーと東芝の両社は同チップを搭載したハイビジョン対応デジタルテレビを2006年に発売する計画だ。さらに、ソニーはこの時期に合わせてCellベースのPlayStation 3を投入する予定。
Hofsteeによると、Cellによってゲーム開発者が受ける恩恵は、ゲームが稼働する基盤の安定性向上だけではないという。ゲーム開発に利用するワークステーションの性能が向上することにも期待して欲しいと、同氏は述べる。このおかげでアニメーションのレンダリング処理が高速になり、開発者の待ち時間は短縮される。
Cellは、ワークステーションやゲーム機、テレビ以外に、特定の科学計算処理を行うスーパーコンピュータやストリーミングメディアサーバ、画像分析システムにも利用できる。どれも、プロセッサ処理能力の向上が求められる分野だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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