直径1センチで高さ3ミリという超小型発電機が、携帯電話の電源として十分な1ワット以上の発電に成功した。
この試作機は、米陸軍研究所からの資金提供を受けて行われている代替バッテリープロジェクトの一環として、ジョージア工科大学の研究者らによって製作された。同試作機は、さまざまな電子装置への応用が期待される。研究員のDavid Arnoldは、「超小型装置で大容量電力を供給できるようになる」と述べる。
同大学の研究者らは、マイクロエンジンと呼ばれるシステムが最終的に完成すれば、従来のバッテリーより発電量が大きく、10倍長持ちするものになる可能性が高いと主張する。
試作機では、歯科医の利用するドリルと同じ圧縮空気システムが動力源になっている。設計者らは研究終了までに、同じようなサイズのマイクロタービンやジェットを使った発電機で、ラップトップを動かすにも十分な20〜50ワットの電力を生み出せるようにしたい考えだ。
このような開発は各所で行われている。昨年も、英国のバーミンガム大学がジョージア工科大学の発電機と同等サイズの3種類のデザインを披露している。これらの発電機では、それぞれシングルピストン型、フリーピストン型、マイクロロータリー型のエンジンが採用され、燃料として液体CO2が使用されていた。しかし、将来的にはガソリンやプロパンなどの炭化水素燃料の使用を予定している。
この発電機は、コイルの上でコイン型磁石を回転させることにより電気を発生させる。回転速度が上がれば発電量も上がる仕組みだ。試作機では磁石が10万回転/分(RPM)で回転する。これは、自動車のオルタネータの最高速度の5倍以上。高性能磁石は壊れやすいため、遠心力の影響を最小限に抑える形に作られており、チタンで覆われている。
このプロジェクトにも参加するMark Allen教授は、「これは、MEMS(微小電気機械システム)をベースとしたマイクロ発電システムを開発するうえで重要な一歩だ」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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