デトロイト発--iPodをこれまでになく簡単にクルマのなかで使えるようになった。
今週当地で開催されたカンファレンスでは、複数の電子機器メーカーが、Apple Computerのデジタル音楽プレイヤーをカーステレオに接続する製品を出品していた。これらの製品は、電波による送信やカセットアダプターを使うやり方など、問題が発生しがちで音質も良くなかった従来の製品に代わるものだ。
Multi Technology Equipment(本社:ニューヨーク州リンブルック)は、Ipod2carアダプターという製品を販売している。Ipod2carはタバコの箱と同程度の大きさで、これをiPodとカーステレオにつなげば、ほとんどのカーステレオからiPodを操作できるようになる。また、このアダプターでiPodの充電を行うことも可能となっている。
Ipod2carの価格は190ドルで、製造元はPeripheral Electronicsというカーオーディオ用のアクセサリメーカー。この分野では実績のある同社だが、最高業務責任者(COO)のRon Freemanは、同社の設計メンバーがこの製品を動作させるために、iPodの通信プロトコルをリバースエンジニアリングしなければならなかったと述べている。
一方、Texas Instruments(TI)は、ハードディスクを搭載した小型のカスタムPCをデモしていた。ダッシュボードのスペースに収まるこのPCは、CDから音楽をリッピングでき、USB接続経由でそれをiPodにコピーすることも可能だ。
ARM926というマイクロプロセッサで動くこの小型PCには、音声認識やディスプレイ制御機能もある。またデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使った音声のエンコーディングやエコーキャンセル、ノイズリダクションも可能となっている。Texas Instrumentsによると、このシステムはQNXのPOSIXをベースにしたリアルタイムOSを搭載し、Compact Flash、Bluetooth、Wi-Fi接続をサポートするという。
iPodをクルマで利用するための選択肢を用意しているのは、TIやPeripheralだけではない。AppleとBMWは先月iPod対応車のラインアップを発表し、また今夏には150ドルのアダプターをそのほかのモデル向けに発売している。
なお、BMWの初期製品ではカーステレオのディスプレイ部に曲名を表示できなかったが、Texas InstrumentsとPeripheralの製品では共に曲名表示が可能だ。
大手カーオーディオメーカーのAlpineは先ごろ、iPod Interfaceという製品を100ドルで発売した。この製品はほとんどのiPodに対応するが、ただしこれと互換性のある最新のAlpine製カーステレオでないと動作しない。
Microsoftも"Windows Automotive"という独自の製品を展示していたが、これは後部座席の下に格納するPCでWindow CEベースのOSで動作する、というもの。このPCは、USB経由で接続した音楽プレイヤーを操作して、カーステレオでMP3ファイルを再生できるようになっている。ただし、TIの製品とは異なりiPodとは連動しない。この点についてMicsofoftの担当者に尋ねると、「どうするかはApple側の問題」だという回答が返ってきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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