米パームソースが最新のオペレーティングシステム(OS)で、新興のスマートフォン市場に参入する。同社は、スマートフォン事業を同社の中核事業であるハンドヘルド事業以上の規模にまで拡大したい考えだ。
以前から予想されていた通り、ハンドヘルド向けOS市場でシェアトップを誇るPalmSourceは現地時間28日に、ドイツのミュンヘンで開催される開発者会議で同社初のスマートフォン向けOSであるCobalt 6.1を発表する予定だ。同社は先週、重要なライセンス顧客の1社であるソニーが日本を除く全市場のハンドヘルド部門から撤退したことから今後の見通しは不透明であるとして、悲観的な四半期の業績予測を発表し、米株式市場に失望感を与えた。
PalmSourceは、先行きに対する不安を緩和するため、スマートフォン市場への食い込みを狙っている。同社がおよそ1年かけて開発したCobalt(開発コード名:Sahara)には、電話機能や電子メールアプリケーション、ウェブブラウザのほか、Wi-FiやBluetoothのワイヤレス通信機能が搭載されている。また、セキュリティ機能が強化されているほか、処理能力も改善され、複数のプログラムを同時に稼働させることが可能だ。
PalmSourceの最高競争責任者(chief competitive officer:CCO)、Michael Maceは、「競合他社は山ほどの技術を市場に投入し、様々な機能を売り込もうとしている」と述べ、さらに「われわれは常に『ユーザーが本当に必要としているものは何か』を追求している。われわれ独自のハンドヘルド機もそのような考えを念頭に置いて開発した」と語った。
またMaceは、携帯通信事業者および携帯電話端末メーカーがCobaltをテストし、彼らの計画に適合することが判明すれば、2005年上半期中に同OSを搭載した携帯電話機が発売される、と付け加えた。現在、同OSを搭載した携帯電話端末が約10種類開発されている。
現時点のハンドヘルド市場のシェアトップはPalmSourceだが、アナリストらは向こう5年以内にライバルのMicrosoftが同社に追い着き、追い越すだろうと見ている。2003年の全世界におけるハンドヘルド機の総出荷台数に占めるPalm OS搭載機の割合は51.7%だったのに対し、Microsoft製OS搭載機の割合は38.3%だった。しかし市場調査会社IDCは、2004年末までにPalm OSのシェアが45.1%に減少するのに対し、Microsoft製OSのシェアは45.9%に増加し、Microsoftがハンドヘルド市場のシェアトップの座を奪うだろうと見ている。IDCはさらに、2006年までにMicrosoftのシェアが51%まで拡大すると予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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