松下電器産業は9月1日、携帯電話やデジタルハイビジョンテレビなど様々なデジタル家電で利用できる統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」を開発したと発表した。複数の製品群でソフトウェアやシステムLSIの資産を再利用でき、開発効率が5倍以上になるという。2004年秋より搭載製品を出荷する。
UniPhierはソフトウェアプラットフォームと、メディアプロセッサを核としたハードウェアプラットフォームの2つからなる。ソフトプラットフォームについては、従来商品分野ごとに異なっていたインターフェースや構造を共通化し、ミドルウェア・OS・デバイスドライバ層などに分離した。
松下電器産業 専務取締役 兼 半導体社 社長の古池進氏 |
ハードプラットフォームについては、商品分野別の専用DSP(Digital Signal Process)に搭載していたAV処理技術を集約し、新たにUniPhierプロセッサというメディアプロセッサを開発した。C/C++言語に対応する命令並列プロセッサを共通にもち、カー/ホームAV系、パーソナルAV系、携帯電話系の3タイプのシステムLSIを用意する。MPEG-2/MPEG-4のほか、H.264にも対応する。
UniPhierプロセッサの特徴としては、高効率なコーデック技術による高画質・高音質、携帯電話にも対応する低消費電力、通信と放送など複数のAV処理を同時に行うリアルタイム処理、DRMや個人データ保護を行うセキュア機構の4つが挙げられるという。
UniPhierの開発理由について松下電器産業 専務取締役 兼 半導体社 社長の古池進氏は、デジタル家電のソフト開発規模が肥大化していることを挙げ、「2010年には(テレビや電話など)複数の機能が融合した製品が出てくる。商品分野ごとに開発を進める今までのやり方では時間がかかりすぎる」と話す。
松下ではこれまで商品分野内での資産共有を進めてきたが、分野の垣根も越えることで開発効率はさらに拡大し、個別開発時に比べて5倍以上になると見る。これにより、消費者が求める製品をいち早く市場に投入することができ、差別化につながるというのだ。また、すでに製品化実績のある資産を再利用すれば品質の向上にもつながるとしている。
松下では今後市場に投入するAV機器製品にはすべてUniPhierを搭載していく考え。本格的な製品化は2005年上期となるが、2004年秋から一部の製品にはUniPhierを搭載するという。「3年では回収できないくらい、相当な投資を行った」と古池氏は話しており、積極的に外販もしていく方針だ。
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