それでも、iMac G5のiPodに似た側面の姿や仕上げの具合は、数百万人にのぼるiPodの所有者の中から、新たなMac購入者を生み出すことに役立つ可能性があると、あるアナリストは指摘している。
「少なくとも現在Appleのブランドを牽引しているのがiPodであることをAppleは認識しており、彼らはそれを利用したかったのだと私には思える」と、NPD Groupのアナリスト、Steve Bakerは語った。「このマシンがiPodに似ている理由は何だと思う?これが、iPodを所有しながらMacを持っていない人たちに向けてつくられた、コンシューマ向けのコンピュータとして位置づけられていることは明らかだ」(Baker)
iMac G5は、依然としていくつかの障害に直面している。その1つは価格で、下位モデルの1299ドルという値段は典型的なコンシューマ向けデスクトップPCと比べると高価だ。これらのPCは通常500〜700ドル程度で売られており、また17インチの液晶ディスプレイも400ドル前後で手に入る。しかしAppleやGatewayなどは、一体型パソコンの市場が存在することを証明している。こうしたタイプのパソコンは価格設定が高めで、しかも本体はディスプレイより何年も先に寿命が尽きてしまう事実がありながら、それでも一体型は売れている。
「Appleにとって、価格は二の次だ」とBakerはいう。「ただのクルマはどう逆立ちしてもそれ以上の存在にはなれないが、反対にBMWは腐ってもBMW、というところがある。それと同じように、iMacはデザインと使いやすさにこそ価値があり、ハードディスクのような汎用部品の寄せ集めとしては魅力がない。少なくともAppleが口にしているのはそういうことだ。だから、メモリを余計に詰め込むためにデザインを犠牲にする理由などまったくない」(Baker)
iMacはこれまでに、2つの世代の製品が出されている。2002年に登場したG4 iMacはデスクランプに似た形で、可動式のアームの先に液晶画面が付いていた。また、1998年に出された第1世代のiMacは、CRTディスプレイが搭載されていたが、この形態は現在のeMacへと引き継がれている。
細かい仕様はさておいて、AppleがこのiMacの売り物にしようとしているのは、やはりデザインだ。
「このiMacを目にして、誰もが『コンピュータ(の本体)はどこにいったのか』と不思議に思うだろう。このデザインのおかげで、コンピュータ全体が空中に浮かんでいるようだ」とAppleのSchillerは述べている。同氏によると、Appleではユーザーが自室でもリビングルームでも、あるいは小さな事務所に置いて使っても胸を張れるようなマシンをつくりたかったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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