家電製品革命は関係者全員に利益をもたらすとされていたが、どうやらそうではないようだ。
市場調査会社のiSuppliによると、技術の陳腐化が中国のDVDプレイヤーメーカーに大打撃を与えつつあるという。今年1月から5月にかけて、広東省から輸出されたDVDプレイヤーの販売価格は40ドル80セントで、メーカーには約1ドルのマージンしか残らなかった。
同省は中国が輸出するDVDプレイヤーの84.2%を製造しており、1月から5月の間には合わせて3450万台のプレイヤーを輸出している。
DVDプレイヤーの製造は中国が得意とするところで、今年上半期に全世界で生産されたDVDプレイヤー用チップセットの80%以上が中国に出荷された。そして、ここで組み立てられた完成品が各ブランドに供給されている。
アナリストのByron Wuは米国時間9日、「核となる技術を持たないDVDプレイヤーメーカーは、わずかな加工組み立て工賃しか得られない。その上で、知的財産の所有者には特許使用料を支払わなくてはならない」とレポートに書いている。同氏によると、中国では今年上半期に30社のDVDプレイヤーメーカーが破産宣告を行ったという。
一般に、IT製品は規格化が徹底していることから、通常は人気の上昇に伴って価格が急落する。しかしアナリストらは、DVDプレイヤーの価格下落は特に深刻な状況にあると指摘する。ただし、こうした厳しい市場環境のなかで、Apexなどの新たな企業も台頭してきている。
DVDプレイヤーは、これまで受託メーカーでしかなかった中国メーカーが、欧州や北米で自社ブランドの製品を販売するための手段にもなってきた。
メーカーにとっては儲けにはつながりにくいDVDプレイヤーだが、それでも人気のほうは一向に衰えていない。Wuによると、2004年の出荷台数は、2003年の9000万台から1億1000万台に増加するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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