日立製作所は8月2日、光産業技術振興協会および産業技術総合研究所の光技術研究部門と共同で、有機薄膜トランジスタを駆動スイッチに用いた高精細有機カラー液晶ディスプレイの試作に成功したと発表した。これにより、電子ペーパーをはじめとした薄型の次世代表示ディスプレイを、低コストで提供できる可能性が高まった。
今回の試作は経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構などの支援・委託を受けて実現したもの。従来の有機TFTは液晶表示素子の作製工程で生じるプロセス負荷を抑えることができなかったため、高精細ディスプレイへの適用が困難とみられていた。しかし、作製工程中の性能劣化を抑える塗布保護膜、接触界面に起因する抵抗の低減といった技術を開発することにより、世界最高水準の精細度を有する有機TFT駆動カラー液晶ディスプレイの試作に成功した。
試作された有機TFT駆動カラー液晶ディスプレイは対角1.4インチで、画素数は80×80(RGB)。画素サイズは318×106マイクロメートル(RGB)、精細度80ppiとなっている。今後の予定としては、別途開発中のアライメントフリー製法など有機TFT印刷法の適用を図り、印刷TFT駆動の高精細ディスプレイを開発する予定だ。
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