Advanced Micro Devices(AMD)は、今年後半に発売予定のSempronチップを使って、価格を重視するPC購入者の心をつかもうとしている。
同社は、6月前半に発表したSempronブランドで、低価格のデスクトップやノートPCの購入者を惹きつけようとするだろうが、その結果ローエンドPC市場でIntelのCeleronプロセッサに戦いを挑むことになる。
Sempronは、マルチメディア機能を低コストで提供できるよう設計されており、リリース後はAMDのデスクトップ用プロセッサ戦略のなかで重要な位置を占めることになる。現在は、低価格とミッドレンジのPCの両方に、同社のAthlon XPチップが使われているが、SempronはCeleronと競合できるため、Athlon XPの上位モデルにかかる価格(値下げ)圧力を軽減できる。なお、同社は今後もAthlon XPを高価なミッドレンジPC向けとして売り込んでいく。
AMDは過去にDuronという低価格チップを販売していたことがあり、現在も新興市場向けにさらに低価格のプロセッサも開発している。なお、Duronはいま一部の市場以外では販売されていない。
同社のモバイル製品担当マネジャー、Bahr Mahonyは、「われわれはこれまで、時として低価格市場のローエンドには製品を投入しないことにしていた。Athlon XPをそのレベルにまで落としたくなかったからだ。だが、Sempronが登場すれば、これまで一貫して製品を投入してこなかったこの市場に向けて、製品を投入できる」と語った。
Athlon XPは、Hewlett-Packard(HP)製の399ドルのデスクトップや、849ドルのノートPCといった低価格機にも搭載されているが、AMDではSempronをこのようなPC向けに売り込む計画だ。同社は549ドル以下のデスクトップおよび999ドル以下のノートPCへの同チップ搭載を目指す。
しかし、Sempronを搭載するノートPCは、この価格レベルさえ下回る可能性がある。Mahonyは、マシンは大半の購入者のニーズを満たす15インチ画面とCD作成機能付きで650〜700ドルからの価格設定になる可能性がある、と話している。
Sempronは、比較的低い価格設定になるが、マルチメディアファイルの操作といった重い処理もこなせる、と同社では話している。Mahonyは、最近はローエンドデスクトップの購入者さえもが新しいコンピュータで写真の編集ができて当然と考えている、と語った。
1個当たりの利益はAthlonほど望めないが、それでもSempronはAMDの収益増に貢献できる。
市場調査会社Mercury Researchのアナリスト、Dean McCarronは、「Sempronがあれば、AMDは価格ではなく設計で勝負できるようになる。PCメーカーにとっては、(低価格プロセッサの採用で)浮いたコストを、一層魅力的に思える他の機能のアップグレードに充てる、という選択肢が手に入るからだ」と語った。
米国の小売市場など、価格は多くのPC市場で購入動機になる。
しかし、NPD Techworldのアナリスト、Steve Bakerは、AMDがAthlon XPを超低価格で販売することに躊躇している点に言及し、「AMDでは2年前から、Athlon XPをエントリーレベルのブランドにするためにはコストが高すぎるという問題を抱えている」と説明した。
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