MicrosoftのWindows XP Tablet PC Editionオペレーティングシステム(OS)をベースにするタブレットPCが市場に登場してから18カ月が経過する。新たな調査結果によると、タブレットPCは、複数のニッチ市場でその地位を確立したものの、法人および個人向けのPC市場全体では、まだ人気を獲得していない、という。
米国時間の16日に調査会社のIn-Stat/MDRが発表した調査結果によると、タブレットPCは医療、不動産、保険業界の企業には導入されているものの、ペン入力コンピュータは法人の幹部やその他の社員にはまだ広く普及しておらず、個人向けの売上も今のところ芳しくないという。
法人や個人の関心を引けない今の状況は、今後変化する可能性がある。しかし、これら2つの市場におけるタブレットPCの売上は、価格が下落し、ソフトウェアが改善されるまでは伸び悩む可能性が高い。レポートによると、価格とソフトウェアの2点については今年中に変化がありそうだ、という。
In-Stat/MDRのアナリストBrian O'Rourkeは、タブレットPCの売上について「このサイズに従来より慣れ親しんでいる保険や不動産といった垂直市場ではかなり好調だ」と語っている。
しかし、同氏は「水平的な法人市場、特に大企業では、IT予算が改善されても、その伸びが遅い。そのような環境では、ITマネジャーが新しい形状のPCを購入するなどという危険な賭けに出てこない。ペン入力の機能にはタブレットPCの高いコストに見合うだけの高い付加価値があることを彼らが認識しているか・・・私はよくわからない」とも付け加えている。
タブレットPCのハードウェアやソフトウェアの機能が向上し、価格が下がれば、企業や消費者の態度が変わる、とIn-Stat/MDRのものを含む多くのレポートで結論付けられている。しかし、それには時間がかかるという。
IDCのアナリストAlan Promiselは、「タブレット技術は予想通りゆっくりとした進展を見せている。やがて、コンバーティブルタイプで低価格のものが徐々に増え、タブレットと従来のノートブックとの(価格の)差はほとんどなくなるだろう」と語った。
現在のところタブレットPCの売上はさほど大きくない。IDCの統計によると、2003年に世界中で出荷されたWindows XP Tablet PC Editionベースのタブレット台数は50万台だったという。なお、同時期に出荷されたノートPCは4000万台弱だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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