ソニーは3月24日、電子書籍を閲覧するための専用端末「LIBRIé(リブリエ) EBR-1000EP」を発表した。電源を抜いても表示が消えないE INK方式の電子ペーパーを採用し、薄型軽量な点が特徴。4月24日より家電量販店などで販売する。価格はオープンだが、市場推定価格は4万円前後。
LIBRIéは書籍データをパソコンでダウンロードし、メモリースティックやUSB接続によってデータを移す。本体には10Mバイトのメモリを備えており、約20冊分の書籍データを記録できるという。また、容量512MバイトのメモリースティックPROを利用すれば、最大500冊のデータを読み込むことができる。
「LIBRIé EBR-1000EP」(クリックすると拡大表示します) | |
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ディスプレイに関しては、オランダのロイヤル フィリップス エレクトロニクスや米E INK、凸版印刷と共同で開発した電子ペーパー・ディスプレイモジュールを搭載した。視野角がほぼ180度で、解像度は約170ppi(pixels per inch:1インチあたりの画素数)。新聞紙と同程度のコントラストを持つという。
そのほか、4種類の辞書データを内蔵し、本体のキーボードを利用して検索ができる。また文字表示を最大200%まで5段階で拡大できる機能や朗読などの音声再生機能、しおり機能などがついている。
LIBRIéの販売を担当するソニーマーケティングの代表取締役 執行役員社長の宮下次衛氏は、電子書籍の市場規模について「出版市場は書籍と雑誌を合わせて2兆2600億円という巨大なマーケットであり、音楽コンテンツの約4倍の市場規模をもつ」と潜在需要の大きさに注目する。携帯電話、PDAなどでの利用を含んだ電子書籍の市場規模は2003年が約25億円だが、2007年には300億円超になると見ている。宮下氏はLIBRIéの発売によって、「新しい本の買い方、読み方のスタイルを提供したい」と意気込む。
ソニーでは多くの書籍データを簡単に持ち運べることから、電車通勤する会社員や、出張・旅行の多い個人、大きな活字を読みたい中高者層をターゲットとしている。
電子書籍の専用端末としては、すでに松下電器産業が2月20日から「ΣBook」という製品を販売している。見開き型の形状と書店で販売している点が特徴で、希望小売価格を3万7900円に設定している。また書籍データにはSDメモリーカード用フォーマットの「SD-ePublish」を採用している。
LIBRIéではソニーが電子書籍データ規格として昨年11月に開発した「BBeB」規格を採用する。このため、利用できるコンテンツは、ソニーが販売しているメモリースティックの辞書データや、ソニーが昨年11月に出版社など14社と共同で設立したパブリッシングリンクが運営する「Timebook Town」の書籍データなどに限定される。
LIBRIéの大きさは幅12.6cm、高さ19cm、奥行き1.3cm、重さ約190g。単4形アルカリ電池4本で動作する。最大電池持続時間は約1万ページといい、200ページの本を50冊表示することが可能だ。ソニーでは当初月産5000台を目標としている。
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