沖電気工業は、車同士のあいだで動画を送信する狭帯域通信(DSRC)ベースの動画伝送システムを、産業技術総合研究所、名城大学、京都大学と共同で開発した。同社が2月18日に明らかにしたもの。実証実験では、MPEG-4で符号化した31万画素(640×480ピクセル)の動画を、4Mbpsで連続伝送することに成功したという。「今後、システムの小型化やユーザーインターフェースの向上を図り、2005年度中の商品化を目指す」(同社)
DSRC(Dedicated Short Range Communications)とは、高度道路交通システム(ITS)や自動料金収受システム(ETC)などで使われる、狭い範囲を対象とした通信方式。通信可能な範囲は一般に数mから数100mという。
沖電気などが開発した動画伝送システムは、車で撮影した動画像をMPEG-4形式で圧縮し、半径数100m内にいる複数の走行車両へ同時送信する。データの送受信には、5.8GHz帯の無線パケットを使う。
基地局などの通信インフラが不要なアドホック「車々間通信システム」を利用するため、有線ネットワーク上のルータなどで発生する処理遅延がなく、1秒間に最大30枚の画像を送受信できる。「災害、事故、渋滞といった前方の交通状況や、乗員の状態を撮影して周辺の車に伝えるなど、安全走行を支援するだけでなく、仲間同士のドライブでのコミュニケーションツールとしても利用可能」(同社)
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