米Interlink Electronicsは2月9日、携帯電話機やPDAなどに搭載可能なポインティングデバイス「MicroNav」の提供を開始したと発表した。大きさは縦10mm、横10mm、厚さ1.4mmと小型で、マウスのようにカーソルを操作できる点が特徴。日本法人のインターリンクを通じて、国内の携帯電話機メーカーなどに採用を働きかけていく。
Interlinkはプロジェクタ用リモコンなどの入力デバイスを製造・販売している企業で、プロジェクタ市場では世界シェア80%を占めている。NECや東芝、松下電器、ソニーなどに納入実績があるほか、Microsoftのゲーム機であるXboxのコントローラにも同社の技術が採用されている。
Interlink Electronicsコーポレートコミュニケーション担当部長のキース・ロバーツ氏 | |
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説明に立った米Interlink Electronicsコーポレートコミュニケーション担当部長のキース・ロバーツ氏は、「携帯電話でのウェブアクセスやオンラインゲームでは、従来の矢印キーではなくカーソルを操作したいというニーズが高まっている」と説明する。
MicroNavは同社が開発したフィルム上の圧力センサー「FSR(感圧抵抗体素子)」を利用し、360度の方向に操作することが可能。また、押す力に応じてカーソルの移動速度を変化させることもできる。通常のリモコンで使われるカーボンスイッチに比べて5倍の耐久性があるという。
Interlinkでは、携帯端末に組み込みやすいように3種類の標準仕様を用意した。MicroNavとファームウェアのみのSensor Onlyのほか、ファームウェアをICの中に組み込んだChip-and-Sensor、基盤に実装しモジュール化したSensor-On-Boardがある。価格は仕様と数量によって異なるが、Sensor Onlyで数百万オーダーの場合、単価は1ドル程度としている。
モジュール化した「MicroNav」 | |
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会場ではSensor-On-Boardのサンプルが公開されていた。形状はIBMのノートPCに使われているTrackPointと似ており、技術的にもかなり近いものという。しかし、インターリンク代表取締役社長の森多美雄氏によると、InterlinkのほうがIBMよりも先にこの技術を発表していたとのことだ。森氏は、IBMがキーボードのB、G、Hの間にポインティングデバイスを置くことに関して特許を持っていることと、Interlinkでデバイスの小型化に成功したことから、携帯端末を中心に納入を進めていく方針にしたとしている。
MicroNavはすでに、堅牢ノートPCを製造する独Kontronにサンプル出荷が行われている。また、国内の携帯電話機メーカーに対しては、「トップクラスの企業にSensor Onlyの採用を働きかけている」(森氏)とした。
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