ラスベガス発--松下電器産業(Panasonic)は、消費者の生活をさらに快適にしようという同社の計画の名前を明らかにし、また収益拡大へ寄与するとの期待が持たれる新製品を発表した。
同社代表取締役専務の大坪文雄氏は、米国時間8日に行ったConsumer Electronics Show(CES)での基調講演のなかで、消費者のニーズにさらによく合った製品を開発しようという同社の戦略「Lifestream」を発表した。
同時に大坪氏は、家電市場では消費者が望むものを完全に理解する必要があると述べ、最近同業界に参入した米Dellや米Hewlett-Packard(HP)をはじめとするPCメーカーを牽制した。
「我々は消費者が望む製品を開発していく」と大坪氏は述べ、さらに「消費者には、自分が求める製品に対して強いこだわりがある。そして、消費者が自分の時間を最大限に活用できるようなもの・・・彼らの記憶に残り、大切につかってもらえるものをつくることが、家電業界では重要だ。・・・(こうしたことを実現するのは、決して簡単なことではないはずだが)、どうやらPC業界の方々は、それを簡単なことだと考えているようだ」(同氏)
PCメーカーは、家電業界が秘める成長の可能性に惹き付けられている。米国家電協会(CEA)によると、米国市場での2004年の売上は前年に比べて5%増加し、過去最高の1010億ドルになるという。
家電大手各社は、PCメーカーの業界参入に備えて準備を進めてきており、ネットワークにつながる、さらに使いやすい製品を投入して、PCメーカーの動きに対抗している。
同社は、HomePlug AVという次世代の仕様をベースにした、電力線を利用するブロードバンドネットワークのデモを行った。HomePlug AV仕様は、HomePlug Powerline Allianceが開発したものだ。
同社の話では、このネットワークは家庭内では電気配線を利用し、外部とは無線接続でつながるというもので、最大170Mbpsという高速な転送速度を実現するため、容量の大きなハイビジョンの映像でも送信できるという。
同社は、この製品のプロトタイプのデモを行い、また同アライアンスによる仕様が今夏に確定すれば、今年中にも製品を発売できると語った。
同社はまた、大手ケーブル会社の米Comcastと共同で、Cable Television LaboratoriesのOpenCable Application Platform(OCAP)を採用したテレビの、プロトタイプ開発を進めていることも発表した。OCAPは、インタラクティブなデジタルCATVの標準で、セットトップボックスを不要にするものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」