最終更新時刻:2008年10月16日(木) 7時43分

Macworld Expo開幕--S・ジョブズ、iPod miniや新ソフトウェアを披露

John Borland and Ina Fried

2004/01/07 10:15  

 サンフランシスコ発--米国時間1月6日に開幕したMacworld Expoで、米Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsは、小型のiPodミュージックプレーヤーや新しいマルチメディアソフトウェア、そしてMicrosoft Officeのアップデート版を発表した。

 新世代の超小型ハードディスクを採用した「iPod mini」は、厚さ2分の1インチ(約1.27センチメートル)の名刺サイズで、約1000曲分に相当する4Gバイトの容量を持つ。iPod miniにはシルバー、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンの合わせて5色のバリエーションがあり、価格は249ドル。米国内では2月、その他の国々では4月に発売される。

 iPod miniと複数の新しいソフトウェアパッケージの発表は、Macintoshコンピュータの誕生20周年の幕開けとなった。

 「今後も多数の発表が控えている。20周年にあたる今年は素晴らしい年になるだろう」と、トレードマークとなっている黒のタートルネックシャツとジーンズを身にまとって基調講演の壇上に上ったJobsは、そう語った。

 自社のビジネスの中心を、パーソナルコンピュータから、パソコンをハブとして利用するマルチメディアソフトウェアやハードウェアまで幅広く拡大したAppleにとって、今は非常に重要な時期となっている。しかし、マーケットシェアの小さいAppleが独占していたマルチメディアの分野でも、いくつかの方面からWindowsベースのマシンが急速に追い上げを見せている。

 iPodに関しても、「Appleにはすぐにライバルが登場するだろう」と市場調査会社米Creative Strategiesのアナリスト、Tim Bajarinは指摘する。

 たとえば、米Rio、米Creative Labs、米Archosの各社は、いずれも20Gバイトの容量を持つ音楽プレーヤーを200ドル半ばで販売している。この価格は容量が5分の1のiPod miniと同じで、20Gバイト版iPodの販売価格399ドルよりも安い。

 また、iPod miniにもライバルが登場する。5日には、Rioが4GバイトのNitrusプレーヤーをリリースすることを明らかにし、他のメーカーもこれに続くと見られている。

 それでも、iPod miniのインタフェースとデザインは購入者を惹きつけるだろうとBajarinは述べている。

 Expoに参加していたMonique Krauer-Redmondも、Bajarinの意見に同意する。Krauer-Redmondはバイオテクノロジー関連会社のGenentechのIT部門で働いている。「iPod miniのサイズが気に入ったし、重さもちょうど良い。iPodを購入したいが、miniが出たことでどれにするか決めるのが難しくなった」(Krauer-Redmond)

 だが、もう1人の参加者で州立チコ大学の学生、Jeffrey Cutterは値段の高さが問題になると考えている。「小型でとても格好いいが、まだかなり値段が高い」(Cutter)

さらに前進したiPodとiTunes

 249ドルのiPod miniは、小型の廉価版音楽プレーヤー登場の噂が数週間前から飛び交う中で、今回最も期待された発表だった。Jobsはまた、既存の10Gバイト版iPodについても、299ドルに価格を据え置いたまま、容量を15Gバイトにすると述べた。これまでに出された各iPodと同じく、iPod miniも、MacとWindowsの両方に対応する。

 Jobsは、iPodの販売台数が、11月時点でMP3プレーヤー全体の31%のマーケットシェアを収めていたことにも言及し、またこの年末商戦には好調な売れ行きを示し、前四半期には合わせて73万台を販売したと語った。

 同社のiTunes Music Storeでのダウンロード数に焦点を当てたJobsは、同社が12月中旬の2500万曲から数字をさらに伸ばし、現時点で3000万曲以上を販売したことを明らかにした。12月後半には購入数が急上昇し、1週間で190万曲に達したという。

 Jobsはさらに、米Napsterや米Musicmatchといったライバルとの競争が激化する中で、iTunes Music Storeが合法オンライン音楽ダウンロード市場の70%を維持しているとのNielsen/Netratingsの数値も公表した。

 Jobsは、数年前から5%を切ったままのコンピュータ市場における同社のマーケットシェアを持ち出し、「シェアで5%を越えるのは気持ちいいものだね」と語った。

 iTunes Music Storeは、昨年春に最初のMac専用サービスが始まった時から、Appleが最も力を入れてきたものだ。同社は、iTunesのWindowsバージョンを10月にリリースしたが、これは由緒あるQuickTimeマルチメディアソフトウェアを除けば、Apple唯一のWindowsベースの主要ソフトウェアであり、このサービスが同社の戦略にとって、いかに重要なものであるかを改めて示した。

 これらの発表は、今週ネバダ州ラスベガスで開催されるConsumer Electronics Show(CES)開幕の前日に行われた。CESでは、米RealNetworksをはじめとする複数の企業がデジタル音楽ストアの発表を予定している。

 なお、iPodのバッテリ寿命やiBookの信頼性の問題に憤慨した顧客の抗議行動が計画されているとの噂も流れたが、Jobsの基調講演前にはこのような行動は一切なかった。参加者は忠実なMacintoshファンが中心で、旧製品に文句を付けるよりも新しいiPodの話を聞く方に関心があったようだ。

新しいiLifeとMac版Office 2004

 今回発表された多数の新製品の中でも、Appleは特にiLife製品にかなり大幅な変更を加えている。この更新に伴い、iLifeには新たにGarageBandという家庭用レコーディングソフトウェアが追加された。

 ソフトウェアシミュレーションによる数十種類もの音源、仮想ギターアンプ、そしてレコーディングおよびミキシングの機能を搭載した同ソフトウェアは、プロのスタジオで利用する機材の大半を、デスクトップで実現するものだ。

 Appleはこれまで、ミュージシャンとの共同作業で認められてきており、2002年には「音楽業界への技術的貢献」からグラミー賞まで受賞している。かつて、ミュージシャンには、Digidesign Pro Toolsなど僅かな数のサードパーティー製ツールしか選択肢がなかった。

 GarageBandのリリースは、Sonic FoundryのAcidやCakewalkのSonarといった低価格ソフトウェアパッケージによって、ミュージシャンがPC陣営に流れていることを認めた証といえる。GarageBandには、これらの先行するプログラムで開発された、数多くの機能が含まれている。

 このほかに、iPhotoの新バージョンも発表された。Jobsによると、この新バージョンは最大2万5000枚の写真を扱えるようになり、大量のデータ取扱時にも速度が低下することがなくなったという。これまでのバージョンでは、大量の写真を読み込もうとすると速度が大幅に低下していた。

 新バージョンではさらに、同社のRendezvousソフトウェアを利用することで、無線もしくは有線ネットワーク経由で、異なるコンピュータ間で写真を簡単に共有できるようになっている。

 同社のベーシックデジタルビデオ編集ソフトウェア、iMovieにも、オーディオ処理やタイトル作成機能の改善、AppleのiSightウェブカムからのビデオ読み込み機能など、いくつかの新機能が搭載された。同社のDVD制作ソフトウェアであるiDVDではナビゲーションとエンコーディングの両機能が改善されている。

 Jobsによると、GarageBand、iTunes、iDVD、iPhoto、そしてiMovieが同梱されるiLifeパッケージの価格は49ドルだが、新しいMacには無償で搭載されるという。同社は昨年慎重に検討した結果、今後はiPhotoやiMovieの無償ダウンロード提供を行わないが、この戦略には一部の顧客から不満が出る可能性がある。

 ソフトウェア関連としてはさらに、今春リリースされるMicrosoftのOffice 2004と、Final Cut Express家庭用ビデオ編集ソフトウェアの新バージョンなども発表された。

 多くの見込み客がMac購入の重要な要件としてOfficeとの互換性を検討することを考えると、Mac Office 2004が出ることはAppleにとって朗報だ。Microsoftはこれまで、次期バージョンのMac版Officeについて多くを語ってこなかった。

 今回のMacworldでは、主力製品であるMacのアップデートはひとつもなかったが、ただしサーバ関連はXserveおよびXserve RAID製品の新モデルが発表された。

 新しいXserveでは、CPUがG5に変わったほか、いくつかの変更が加えられている。2GHzのシングルプロセッサ搭載サーバの価格は2999ドルで、またデュアルプロセッサ搭載モデルのほうは3999ドルとなっている。

 ストレージ関連では、Xserve RAIDが新たにアップデートされ、データ保存容量が最大3.5テラバイトに増加した。価格のほうは、1テラバイトモデルが5999ドルで、3.5テラバイトモデルが1万999ドルだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

特集

「ソーシャルメディアキャンペーン」の半数は失敗--アナリストが指摘する理由
多くの企業がソーシャルメディアキャンペーンを計画している。しかし、ガートナーによると、キャンペーンを始める理由が明確になっていなければ、失敗に終わることになるという。
人工知能による会話マーケティングの可能性
日産NOTEのウェブサイトがおもしろい。人工知能を用いて、ユーザーの質問にCMでおなじみのキャラが反応してくれる。裏側で実現しているのは、PtoPAが開発したソフトウェア「CAIWA」だ。同社はこれをウェブマーケティング分野でも活用しようとしている。

オピニオン

■インタビュー

Diggのグローバル展開--創設者K・ローズ氏インタビュー(前編)Diggのグローバル展開--創設者K・ローズ氏インタビュー(前編)
ソーシャルニュースサイト「Digg」の創設者であるK・ローズ氏が、米CNET Newsのインタビューで、Diggの将来や「Diggnation」ポッドキャストなどについて語った。
Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏
コンシューマー市場向けの取り組みを強化すると発表したマイクロソフト。日本におけるWindows VistaやWindows Media Centerの現状をどう見ているのか、コーポレートバイスプレジデントのブラッドブルックス氏に話を聞いた。

■コラム

進化するユーザビリティテスト〜「ユーザー行動観察調査」の効果・効能進化するユーザビリティテスト〜「ユーザー行動観察調査」の効果・効能
近年のウェブサイトリニューアルプロジェクトでは「ユーザビリティテスト」を実施することが当たり前になってきたようです。今回は、単なる「使いやすさ調査」を超えた「ユーザー行動観察調査」の効果・効能を紹介します。
“オトコの遊びゴコロ”をくすぐるロマンたっぷり「自動車ケータイ」“オトコの遊びゴコロ”をくすぐるロマンたっぷり「自動車ケータイ」
香港や中国のケータイショップでは、「おぉっ!こりゃかなりいける!」とワクワクしてしまう怪しいトンデモケータイに出会うことがある。そんな魅力あふれる製品の1つが、今回ご紹介するケータイである。
ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念
日経平均が約4年10カ月ぶりに1万円の大台を割り込む中、ソフトバンクの株価が、全般相場の低迷にも増して下落が加速している。

企画特集

ネットと家電をつなぐチャレンジ「Life-X」ネットと家電をつなぐチャレンジ「Life-X」
ライフログ・シェアリングサービス「Life-X」の印象は?
動画配信を効果的に成功させるには?動画配信を効果的に成功させるには?
コンテンツ配信のヒントが満載!小冊子プレゼント中!
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第2回】メーカー/占いのコンテンツを作ってみた!

ブログネットワーク

アルファブロガー

クロサカタツヤの情報通信インサイトグッバイ、レバレッジ!(2)
クロサカタツヤの情報通信インサイト
渡辺隆広のサーチエンジン情報館ひっそりと検索サービス終了・Acoona(アクーナ)
渡辺隆広のサーチエンジン情報館
外資系エグゼクティブの日々I am Jamming!
外資系エグゼクティブの日々
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」9月イベントお知らせ
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」
ケータイ時代のスタンダードiPhonista Nightの事後報告
ケータイ時代のスタンダード
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance新サービスをローンチしました
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
鈴木健の天命反転生活日記パラレルワールドとしての電脳コイル
鈴木健の天命反転生活日記

読者ブロガー

WEB製作者の為のSEO対策SEOの考え方
WEB製作者の為のSEO対策
趣味と仕事の境界線新幹線でイーモバイル
趣味と仕事の境界線
システム分析屋のつぶやきクラウド
システム分析屋のつぶやき
Life with Mac and more.新MacBookは買いか?
Life with Mac and more.
コミュニケーションはマスメディアを殺すのか?お嫁にしなさい!東方についてのお詫びと訂正
コミュニケーションはマスメディアを殺すのか?

リサーチ

■リサーチコラム

薬事法規制の厳しい健康食品に代わり、増え続ける化粧品メーカー
薬事法規制が厳しくなる今、特に規制が厳しい健康食品にかわって化粧品を販売しようとする企業が増えている。そこで、覚えておきたい化粧品と薬事法の関係について簡単にまとめた。
携帯電話の待ち受けに関する調査--最も利用される画面は「自分で撮影した写真」
携帯電話の待ち受け画面に関する調査を実施したところ、10・20代は飽きやすく待ち受け画面を頻繁に変更する傾向にあり、30・40代は季節感や臨場感を重視することが明らかとなった。
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査--電子マネーコアユーザーは、高所得者層
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査したところ、電子マネーを活用するのは高所得者層に多く見られた。また、1度に1万円以上チャージするユーザーは10%強であることも明らかになった。

■調査レポートダウンロード

金融不安の市場に、IR活動は何を頼るか!?
CMS未導入企業300社へのアンケート 担当者のホンネを徹底追求

■調査発表

ケンコーコム 2008年9月 月間売れ筋ランキング〜日々の備えが大切!防災関連グッズ、パンデミック関連グッズが再注目されました〜
「Alibaba JAPAN」、キッチン周りに関する調査 「生ゴミ処理機」の利用意向は非利用者の約半数
調査結果「携帯の電波状況『とても重要』ドコモユーザー5割、ソフトバンク2割半」

イベント情報

新任取締役の会計・税務と経営責任
主催:あずさビジネススクール株式会社
新任取締役の会計・税務と経営責任
主催:あずさビジネススクール株式会社
新任取締役の会計・税務と経営責任
主催:あずさビジネススクール株式会社

CNET Japan セレクション

ココが変わった、新型「ニンテンドーDSi」--「ニンテンドーDS Lite」と比較
任天堂が11月1日に発売する新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」はどんな点が新しいのか。既存のニンテンドーDS Liteと比較するとともに、新機能を紹介する。
フォトレポート:本体が分離するNTTドコモの「セパレートケータイ」の謎に迫る
NTTドコモは家電展示会「CEATEC JAPAN 2008」において、端末が2つに分離できる携帯電話「セパレートケータイ」を展示している。どのような仕組みなのか、何ができるのかを、写真で紹介する。
話題のスマートフォン、写真で見るBlackBerry Bold
RIM製スマートフォン「BlackBerry」の新モデル「BlackBerry Bold」を2008年度第4四半期にも発売すると発表したNTTドコモ。話題のBlackBerry Boldを写真で紹介する。
こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち
幕張メッセで開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、幅広い分野の最新技術が一堂に会している。ここではその中でもユニークな新技術や展示を紹介する。
「iPhone 2.2」アップデートの概要が明らかに--App Storeのインターフェースなど変更
アップルは、新たな「iPhone 2.2」アップデートのリリースに向けて準備を進めている。Safariに加え、App Storeのインターフェース変更などが予定されている。
ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術
幕張メッセで開催されているデジタル家電の展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、携帯電話関連の新技術が数多く展示されている。その様子を写真で紹介する。

今日の見どころ

「MacBook」がアルミ筐体でNVIDIA製チップ搭載--アップルイベント

フォトレポート:時代を振り返る--ビンテージPCコレクション(1980〜1983年)

自動車の未来を垣間見る--2008年パリモーターショーのコンセプトカー

レビュー

今週の新製品総チェック:新PS3が登場!ニコンが発表した映像製品「UP」とは?
「東京ゲームショウ2008」が10月9日から開催され、新PS3やXboxの新作ゲームなど、ゲーム機の大型発表が相次
[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
ソニーのBlu-ray Discレコーダー新製品が登場した。2007年から引き継がれる「やりたいことから選ぶ」シリー
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
松下電器産業の「Let's note」、デルのデスクトップPCとPC新製品が数多く登場した。Let's noteは9時間駆動
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
キヤノンからもフルサイズCMOSセンサを搭載した「EOS 5D Mark II」が登場した。合わせてコンパクトデジカメ

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。