米IBMは25日(米国時間)、ゲーム開発者がビジネス向け機能サポートをオンラインゲームに簡単に組み込めるようにするソフトウェア、Business Integration for Games (BIG)の初期バージョンをリリースする。
BIGは、売上の決済などのビジネスタスクの処理や、有料トーナメントの管理を行なうための既製ツールだ。IBMはBIGの初期バージョンを、AlphaWorksプログラムのもとでリリースし、企業に新技術を試してみるよう奨励している。
ゲーム開発者は、特に大規模なゲーム会社で働いている場合、通常は、決済など舞台裏の機能を扱うソフトウェアエンジンを自前で製作しており、このやり方は質のよいゲームではうまく機能することがほとんどない、とIBMのDigital Media Emerging Business Opportunity部門でゲームユニットを率いるPatricia Fryは述べている。
「この業界では、大手開発会社が自前でツールを構築し、それを社内で管理するという傾向がある。しかし、この市場は成熟しつつあることから、市販のコンポーネントが使えるところでは市販のコンポーネントを利用し、自らを専門化させていく、というやり方が合理的かもしれない。そうすれば、開発者は製品を速く市場に出せるようになり、ゲーム設計という、よりクリエイティブな側面に専念できるはずだ」(Fry)
IBMは、オンラインゲームのホスティングにグリッドコンピューティング技術を適用するButterfly.net計画など、オンラインゲーム業界をターゲットとするプロジェクトを、他にもいくつかサポートしている。こうしたアウトソーシングプロジェクトは、オンデマンド・コンピューティングに向けたIBMの幅広い戦略と結びついている。オンデマンド・コンピューティングは、企業が自らのコアとなる事業活動に専念するため、コンピューティングタスクのほとんどをアウトソーシングする、というもの。
ゲーム業界は締切が厳しく、開発者は熾烈な競争圧力のもとで働いていることを考えると、ゲーム業界におけるアウトソーシングは合理的だ、とFryは話している。
「我々はオンラインゲーム環境内で多数の開発者と話をしているが、彼らは、素晴らしいゲームを生み出すのは、自らのコアな能力なのだと実感している。彼らは、ゲームの販売・管理の全てをやらなくてはならないわけではない・・・我々は、我が社のオンデマンド戦略によって、ゲーム開発者やゲームホスティング企業のリスクが減ると考えている」(Fry)
オンラインゲーム市場は、今後数年で急成長するとみられており、IBMや米Sun Microsystemsなど大手コンピューティング会社のほか、ビジネス管理やITタスクなどに特化した多数の専門企業も関心を寄せている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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