シンガポール発--シンガポールを拠点とするエレクトロニクス企業Creative Technologiesは、自社製品の廉価版生産を検討している。これは、中国の工場で大量に作られているコピー商品への対抗策だと、同社会長兼最高経営責任者(CEO)のSim Wong Hooは説明している。
先ごろ当地で開かれたGlobal Entrepolis@Singaporeカンファレンスのフォーラムで、Hooは、コピー工場が出現するスピードを考えれば、中国で著作権を行使することは難しいと述べた。
同氏によると、中国にあるたくさんの小さな工場では、同社の「Nomad Muvo」というUSB-キーチェーンの形をしたMP3プレーヤーとそっくりのデバイスが生産されているという。強制執行によって1つの工場を操業停止に追い込んだとしても、次から次と新たな工場が出てくると同氏は説明した。
「上海から戻ったばかりだが、40もの会社がこれを扱っている」と、HooはMuvoのコピー商品をかざして聴衆に見せた。
同氏の話では、ある企業がデバイスに必要な型を製造し、出来た部品を多数の小さな工場に売る。これらの工場では人手を使い最終品を組み立てているという。
「今後、我々が考えているのは、自らコピー商品を作ることだ。つまり、『負かせないなら、仲間に加わる』ということだ。同じ製造技術を使って、中国で大々的に生産する」と同氏は述べた。
廉価版の製品はCreativeの自社ブランドか、別の名前で販売されるだろうと、同氏は語った。
Creativeは昨年7月にNomad Muvoを発売、また同社の「音声再生モード付きメモリモジュール」は、今年9月に米国特許庁から特許を認められている。
中国でのソフトウェアの著作権侵害は広く知られているが、ハードウェアも同じように偽造されている。米Hewlett-Packard(HP)のような企業は、中国当局と協力し、コピー製品を製造させないようにしてきた。昨年、IT大手の米Compaqは、サーバの模造品を作っていた中国の工場を非難した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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