一部のMacユーザーが、Mac OS XをめぐってAppleを訴えていた訴訟で、裁判所はAppleが返品に応じるという和解を予備承認した。
Mac OS Xが一部のG3ベースのMacを完全サポートしていないとして、米Apple Computerが訴えられた集団訴訟で、同社はすでに、原告側と仮合意に達していた。ロサンゼルスの上級裁判所は、9月の聴聞会でこの和解を予備承認した。
この和解により、一部の旧式Macの所有者は、Mac OS Xを返品すれば代金を返してもらえるようになる。また、彼らがMac OS Xを返品したくない場合は、Apple Storeで99ドル購入すると25ドル割引されるクーポンをもらえるという。このほかAppleは、この訴訟を起こした法律事務所、King & Ferlautoに35万ドルを支払うことにも同意している。
2002年1月、自らを含むMac所有者を代表してこの訴訟を起こした代理人のThomas Ferlautoは、「これは公平な和解だと思う」と述べた。この訴訟の申し立ては、OS Xは全てのG3マシンで稼動するよう「完全に最適化」されているとAppleが請け合ったにもかかわらず、そのような最適化は行なわれてなかったというものだ。必要なドライバが書かれていなかったために、旧式G3マシンでの性能は「深刻に(低下してしまい)、OS Xは現実的な選択肢ではなくなってしまった」と原告側は主張している。
Appleは法廷への提出書類の中でこの申し立てを否定したが、裁判で争い続ける法的コストを避けるため、進んで和解に応じたいと述べていた。
Appleは今週、和解で要求された通り、同社のメインホームページに和解条件へのリンクを掲載した。同社はこのほか、提案された措置を登録ユーザーに通知し、Macworld誌とUSA Today誌に広告を掲載することも求められている。
この和解内容が適用されるのは、初期のiMac(Bondi Blueやフルーツカラーのモデル)と、旧型のiBook、最初のPowerBook G3(ブロンズキーボード搭載モデルまで)、Power Mac G3の初期の3モデル、1998年4月に発売されたオールインワンPower Mac G3の所有者だ。2003年5月15日以前に購入されたマシンが対象となる。
Ferlautoはもともと、アップルに対して、すべてのG3 Mac向けにDVDプレーヤーソフトを開発させ、また初期のG3モデルで使われているいくつかの古いビデオカードをサポートさせることを求めていた。また、Mac OS 9よりもOS Xを動作させている時のほうが処理性能が下がってしまったMac OS Xの購入者に対して、損害賠償を支払うことも訴えのなかに含まれていた。
2001年3月にMac OS Xが登場した際、このOSはDVDの再生やCD書き込みといった機能を完全にはサポートしていなかった。Appleは、後にOS X 10.1のリリースでDVD再生機能を追加したが、この時にも全てのG3モデルをサポートしていたわけではなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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