シリコンバレーのある企業が、大手チップメーカーが現在販売しているどの製品よりも高速な、デスクトップパソコン用プロセッサを発表した。
チップ設計会社の米ClearSpeed Technologyは、新プロセッサ「ClearSpeed CS301」を発表した。同社の出した声明によると、このチップは最高時の性能で秒速25ギガフロップ(250億回の浮動小数点演算)を達成できるという。
ClearSpeedが示した数値によれば、CS301のスピードは、米Intelや米Advanced Micro Devices(AMD)や米Appleなどが販売している標準的なデスクトップ用プロセッサの2倍だ。複数のプロセッサで構成されるスーパーコンピュータの速さは通常、秒速1テラフロップ(1兆フロップ)以上となっている。
この新チップによって、膨大なコストやスペース、冷却設備がなくとも、スーパーコンピュータ並みの性能を実現することが可能になる、と同社は話している。
ClearSpeed Technologyの最高経営責任者(CEO)Tom Beeseは、「CS301は、ClearSpeedが初めて世に送り出すマイクロプロセッサだ。これは、科学者や生物情報工学者、エンジニア、コンテンツクリエイタなどが高性能コンピューティングを利用できる世界をつくり出すことで、彼らが現在抱いている考え方に挑戦を挑むはずだと、我々は考えている」と声明のなか語っている。
CS301はマルチスレッド対応で、64ウェイの並列処理が可能。また、拡張カードに装着すれば、ワークステーション内でIntelやAMDのCPUのコプロセッサとしても機能する。
同社の声明によると、このチップはブレードサーバやクラスタでも利用できるほか、レーダーのパルス圧縮や画像処理といった埋め込み型DSP(デジタルシグナルプロセッサ)アプリケーション用のスタンドアローンプロセッサとしても利用可能だという。
「CS301がコプロセッサとして機能するアプリケーションでは、ダイナミックライブラリがアプリケーションの内部ループをCS301に処理させる。・・・内部ループ処理を代行することにより、従来は限られたCPUの数値演算機能によって生じていたボトルネックを回避し、現在市販されているどの製品よりも、2倍以上高速にアプリケーションの核となる部分を実行できる」と、声明には記されている。
CS301は電力効率が高く冷却機能にも優れていることから、PCカードにもインストールできるようになり、ノートパソコンでワークステーション並みの性能が実現可能になるだろう、と他のレポートでは説明している。
New Scientistの報道によると、このチップは1個約1万6500ドル程度で、PC互換機バージョンが今年中に発売されるという。CS301チップは今週カリフォルニア州で開催されている「Microprocessor Forum 2003」で発表される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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