台北発-- 米Nvidiaは23日(現地時間)、携帯端末向けの画像処理プロセッサ市場への進出を開始し、デスクトップPC向けのグラフィックチップ市場で収めた成功の再現を狙っている。
Nvidiaは、今回GoForceという新たなブランド名で、携帯端末向けの製品を発表したが、これは同社が今年8月に行った米MediaQ買収を通じて手に入れたものだ。Nvidiaはまた、同製品シリーズのフラッグシップとなるGoForce 2150という商品を発表。これは、携帯電話や携帯端末での、デジタル写真撮影やゲーム機能の向上を狙って設計されている。
Nvidiaの今回の動きは、現在の中核ビジネスであるPC用の画像処理プロセッサー以外の分野へと事業を拡大しようという、同社の狙いを裏付けるものだ。同社は今年前半に、最新の画像処理システムの出荷が遅れ、痛手を受けた。ただし、最近の四半期では、同社の画像処理プロセッサーを搭載したMicrosoft Xboxの出荷が寄与して、僅かながら業績を伸ばしている。
GoForce 2150は、デスクトップ用の画像処理システムとは、仕様が大きく異なる。1.3メガピクセルもの大きさの画像の保存と暗号化が可能で、任天堂のゲームボーイアドバンスの25倍の画像処理能力を持つ。消費電力も少なく、70種類の表示用インターフェイスに対応するため、幅広く様々なデバイスで利用できると、Nvidiaの携帯製品担当バイスプレジデントであるPhil Carmackは説明している。「GoForce 2150は、1秒間に1.3メガピクセルの画像を11枚も処理できる」(Carmack)
Nvidiaの最高経営責任者(CEO)、Jen-Hsun Huangは、自ら10年前設立に力を貸した同社が、この新しい製品ラインアップにより、大きく変わろうとしていると、大胆に主張した。「我々の努力の結果は、新しいNvidiaに現れるだろう」とHuangは言う。さらに、顧客はより美しいビデオやオーディオ、ゲームを楽しめる携帯電話を求めていることから、新しいチップの販売見込みは数億個になるという。
Nvidiaは、多くの企業がGoForce 2150を採用する予定であると述べているが、これを携帯端末Mio 8390に採用する台湾メーカーMitac以外には、具体的な顧客名を公表しなかった。過去におけるMediaQの顧客企業には、三菱、独Siemens、米Palm、シャープ、蘭Philips Electronics、米Dell、そしてソニーなどがある。
Carmackは「今年末までには、GoForce 2150を搭載した携帯電話が大量に出荷されるだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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