米Hewlett-Packardが、膨大な数の本を記録できる電子ブックビューワーの試作品を開発したと、英BBC Newsが伝えた。
本体の外観は艶消しメタル、厚さは1センチほどで、ペーパーバックよりも小さい。このハイテクブックの表面にあるのは、スクリーンと、読者が本を読み進めるための複数の細長いタッチセンサーだけだ。コンテンツは、標準的なUSBポートを使って、パソコンから送られる。
同機の開発陣は、普通の本と同じような特徴、例えばページをめくる機能を残し、アナログ本の感覚に愛着を持つ読者を惹きつけようとしている。そのために、ぺージをめくるアニメーションを表示するための、小型だが高性能なコンピュータを搭載している。
タッチセンサー部のひとつに沿って指を動かすとページがめくられる。またそのセンサー部を違うスピードでたたくことで、速読をしたり、本全体に目を通したりできる。
通常のサイズの新聞を表示することも可能で、読者は興味のある頁をスキャンし、タッチパネルを使って読みたい記事を拡大して見ることができる。
そのほか、特定のページを指定できるブックマーク機能や、2つの章の間を行き来できる「電子フィンガー」機能などもある。
電子ブックは1990年代後半から市場に投入されたが、依然として普及が進んでいない。
主な問題点は、コンピュータのディスプレイと同様に、目が疲れやすいことにあるが、HPの開発陣は、電子ペーパーという新しいディスプレイ技術によりこの問題を解決し、紙により近い感覚を与えることができると考えている。
米国ベースの新興企業E InkとオランダのPhilipsも、今週アメリカで開催された商品見本市で、電子ペーパーの試作品を採用したデバイスを披露している。それは、本のような外観の、2つのスクリーンを持つ箱型デバイスで、Philipsがデザインしたもの。ディスプレイの解像度は1インチあたり160ピクセルである。
多くのメーカーは、電子ブックは中国やインドのような発展途上国で役立つと考えている。これらの国では、安いコストの頑丈な電子機器を使ってデジタルコンテンツを読むほうが、本よりも、長い目で見れば安くつくからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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