オープンソースソフトウェアのOpenOfficeは、最終版に近いバージョンが投入され、大幅に作り変えられた初めてのメジャーアップグレード版がまた一歩リリースに近づいた。
「OpenOffice 1.1」の「リリース候補」バージョンは、同ソフトの開発を進めるOpenOffice.orgのWebサイトから、現在ダウンロード可能となっている。
商用ソフトウェアでは、ベータテスト版と最終ディストリビューション版との間に入るのがリリース候補版だが、OpenOfficeの開発者たちはこのバージョン1.1にいくつか修正を加えた後、来月に最終バージョン投入を宣言すると、OpenOffice.orgのマーケティングプロジェクトで共同リーダーを務めるSam Hiserが語った。
OpenOfficeは、Sun MicrosystemsのStarOfficeの無償オープンソース版で、ワードプロセッサやスプレッドシートをはじめとする各種ソフトウェアツールを含むソフトウェアパッケージ。このソフトウェアは、市場を支配する MicrosoftのOffice製品と競合するが、各種Officeフォーマットのファイルを読み書きできる。
市場シェアの点からみればMicrosoft Officeとは比較にならないが、コスト面での優位性や、Microsoftの各種アプリケーションで作成されたファイルへの対応などのおかげもあり、OpenOfficeも徐々に熱心な支持者を集めている。
OpenOffice 1.1に追加された主な機能としては、米Adobe SystemsのPDF(ポータブルドキュメントフォーマット)や、米MacromediaのFlashアニメーションフォーマットへのファイル書き出しなどがある。いずれの標準も、Webパブリッシャーの間で幅広く普及しており、通常は専用のオーサリングソフトウェアが必要とされる。
「PDFやFlashに対応したことで、OpenOfficeユーザーはWebで利用可能な広く普及したファイルを生成できるようになる」(Hiser)
バージョン1.1では、異種コンピューティングシステム間でのデータ交換標準として普及が進むXML(extensible markup language)フォーマットのサポートも改善されている。OpenOffice 1.1ではユーザーがファイルを業界標準のXMLで保存できるほか、Microsoftがまもなく登場させるバージョンのOfficeでの利用を計画しているものを含むサードパーティー製「スキーマ」(カスタムXMLコンフィギュレーション)にも対応できるよう設計されている。
さらに、OpenOffice 1.1ではラテン文字セット以外もサポートし、特定の言語用にカスタマイズされたバージョンのOpenOfficeを、容易に作成できるようになる。同ソフトウェアは現在30カ国語にローカライズされており、現在も新たに60カ国語へのローカライゼーションプロジェクトが進行中である。
「OpenOfficeは、まさに国際的プロジェクトになりつつある」(Hiser)
OpenOffice.orgは先日、OpenGroupware.orgという姉妹プロジェクトを立ち上げており、MicrosoftのExchange電子メールサーバ製品に取って代わるオープンソース製品開発も目指している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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