ハッカー集団、Xboxのセキュリティ対策を解読―MSは提訴の構え

 Free-Xと名乗るハッカー集団が、Xboxの全てのセキュリティ対策を、ハードウェアを改造することなく解読したことを明らかにした。これに対し、米Microsoftはこのメンバーに対し、法的措置も辞さない構えである。

 Free-Xによるこの解読成功の話は、あるMLに投稿された。Free-XはこれまでMicrosoftとの交渉を試み、Microsoftが承認するLinuxブートローダのリリースを要求していた。このLinuxブートローダにより、Xboxユーザーはハードウェアの改造やコンソールの脆弱性を悪用することなく、オープンソースのOSを利用できるようになる。しかし、グループメンバーによると「Microsoftは交渉を拒んだ」という。

 グループの代表者は、「グループの活動は著作権侵害行為を助長する」という見方を否定するとともに、「Microsoftはゲーム開発者の知的所有権を保護する義務を怠っている」と非難している。Microsoftが承認するブートローダでは、海賊版ゲームをXboxコンソールで実行することができないが、同グループが発見した手法ではそれが可能だという。

 Free-Xは、「著作権侵害行為は、我々が本来望んでいるものではない」と語る。「MicrosoftがLinuxの承認に合意していれば、海賊版ソフトウェアの不正使用を防ぐことができただろう。恥ずべきことに、Microsoftは我々が懸念した、Xboxコンソール向けソフトウェア開発者の知的所有権を保護することに共感を示さなかった」(Free-Xの声明文)

 これに対し、MicrosoftはFree-Xの行動を著作権侵害防止行為と考えるどころか、同グループを攻撃する側にまわる可能性がある。

 Microsoftの広報担当者は、「MicrosoftはXboxのビデオゲームに関する著作権侵害行為について真摯に捉えている」と語る。「Microsoftが保有する知的所有権、著作権、および提携先のこれらの権利を保護することは、Microsoftにとって最優先事項だ。したがって、ビデオゲームの著作権侵害行為を促す人物のいずれに対しても、法的措置をとる構えはできている」(Microsoftの広報担当者)

 Free-Xははじめ、同グループが発見したセキュリティ侵害方法はすべて、「Xboxのマザーボード上のピンを数本ハンダ付けする必要がある」と説明していた。しかし今回、同グループはソフトウェアのみの操作でXboxの変更が可能だとしており、またMicrosoftにとっては時間切れだとも述べている。

 「今日はMicrosoftにとって大変悲しむべき日だ。我々はMicrosoftへの接触を1カ月前に開始した。我々はソフトウェアだけでmodチップを代用する初めての解決法を開発し、またそれが動くことを証明したからだ。この解決法ができたことで、もうXboxの本体を開ける必要がなくなった」と、Free-Xは述べた。

 Free-Xによると、MicrosoftがXboxを保護するには、新しいファームウェアか、Xboxの「Dashboard」ソフトウェアの改訂版をリリースするか、どちらかしかないという。

 Free-Xのメンバーは、「Free-XがLinuxブートローダをリリースさせようとしてMicrosoftを脅迫していると世間が捉えていることに、不満を感じている」と語った。Free-Xは、同グループが発見したあらゆるセキュリティ上の欠陥をはじめ、他の攻撃からXboxを保護するための方法、ソースコード、Xboxの欠陥に関する詳細な調査結果などをMicrosoftに提供したという。「わがチームはMicrosoftと喜んで協力し、両社間で出される合意条件のほとんどを受け入れていただろう」(Free-X)

 Microsoftは、Free-Xが開発したセキュリティ侵害方法について現在「評価中」だという。

 なお、Free-Xが開発した手法が同社の主張通りなら、ハードウェアに手を加えずにXboxでLinuxを動作させた初のグループとして、米Lindows.comの最高経営責任者(CEO)のMichael Robertsonから賞金10万ドルが授与される可能性がある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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