Xboxハッキンググループ、米MSにLinux公式ブートローダーを要求

 米Microsoftの家庭用ゲーム機Xboxのセキュリティを研究しているあるグループが、いわゆるmodチップを使わずに、Xbox上でLinuxを稼動する方法を発見したという。そして、Microsoftがその団体と、公式なLinuxブートローダーのリリースについて話し合いに応じなければ、発見された技術を公開すると話している。

 このグループは、この記事では匿名を希望している。同グループは何度か独自にMicrosoftとの接触を試みたものの失敗し、その後ZDNet Australiaに接触してきた。

 同グループは、Xboxユーザーがmodチップをインストールしなくても端末上でLinuxを稼動できるよう、Microsoftに同社の「署名入り」Linuxブートローダーをリリースさせたいと主張している。ブートローダーとは、オペレーティングシステム(OS)をロードしたり、マシン制御をOSに行なわせたりするため、コンピュータが立ち上がる際に稼動されるソフトウェアのこと。

 署名入りLinuxブートローダーは、ユーザーが海賊版ゲームをロードできるようにするものではない、と同グループは言う。しかし、同グループが見つけたと主張する、Xbox上でLinuxを稼動する新方法には、modチップをインストールせずに海賊行為が出来てしまうという副作用を持つ可能性があり、同グループはこの副作用を避けたいとしている。Xboxのセキュリティシステムを迂回するModチップは、Xbox端末の主回路基板にハンダ付けしなければならない。

 同グループによると、Microsoftが彼らの求めている話し合いに応じなければ、数週間中にこの手法の詳細を公開するという。

 Microsoftは現在、同グループのハッキングに関する技術的・法的問題を調査中で、今週始め(米国時間)にも最終的な対応を発表する、との声明を出した。

 「我々は、他者の知的所有権の尊重を非常に重視している。そして我々や、我々のパートナーの技術革新も、同様に尊重されることを要求する」と同社は声明で述べている。「我々が主に懸念しているのは、Xbox用ゲームを開発している開発パートナーに影響を与える、偽造ゲームの問題だ」

 オーストラリアの合法的なmodチップ会社、OzXChipのMichael Muirは、「公式」Linuxブートローダーのリリースは、前向きな一歩となるだろう」と話している。

「公式Linuxブートローダーの登場を是非見たい。それが出回れば、私はどうしても廃業に追い込まれてしまうだろうが」と、MuirはZDNet Australiaに語った。

 同グループが発見したという一連の方法には、工場でXboxハードディスクにインストールされるXbox Dashboardユーティリティーへのハッキングも含まれており、それらが公開されれば、海賊行為を防止しようとしているゲーム会社に大変な損害をもたらしかねない、とMuirは言う。もしこのハッキングが本物なら、ちょっとした技術的知識があれば誰でもXboxのBIOSを入れかえて、ゲームの海賊行為を行なえるようになってしまう。必要なハードウェア改造は、マザーボードに書き込み可能パッドをハンダ付けするだけだ。

 非改造のXboxでLinuxを稼動させるコンテストでは、最初に成功した人には100万ドルの賞金がかけられていた。しかし、同グループがその対象とならなかったのは、このハンダ付けの所為だった。

 同グループの手法は、ジェームスボンドのゲーム「007: Agent Under Fire」での「ゲームの保存/ロード」機能のハッキングでも利用されており、それほど目新しいものではないとされている。このハッキング方法は以前から、BIOSを変更する十分な知識があり、労力を惜しまない人には可能なものだった。

 しかし同グループは、そろそろユーザーが簡単にXbox上でLinuxを稼動させられるようにすべき時が来たと考えている。彼らが主張している一連のハッキング手順は、どのゲームにも依存していないため、人気が非常に高まるだろう。ユーザーはインターネットからプログラムをダウンロードし、メモリーカードを使ってXboxにロードすればよいだけだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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