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Macのシェア拡大の起爆剤となるか--正式版の登場が迫るParallels

2006/06/15 21:32
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 Macintosh上でMicrosoftのOS「Windows」を使用できるようにするソフトウェアを手がける新興企業Parallelsは、米国時間6月15日、「Parallels Desktop for Mac」の製品版を発売した。

 Apple Computerは4月、Mac上でWindowsが利用できるソフトウェア「Boot Camp」のパブリックベータ版を発表し話題になった。しかし、Boot Campでは一度に立ち上げられるOSは1種類のみで、WindowsとMac OSを同時に利用することはできない。

 ほぼ同じ頃にParallelsは、仮想化技術によりMacのアプリケーションと同時にWindowsプログラムも動作させられるソフトウェア、Parallels Desktopのテストを開始した。Parallels Desktopでは、WindowsプログラムはMac OS上の別ウィンドウに開く。

 Mac上でWindowsプログラムを可能にするこれまでのソフトウェアと違い、Parallels Desktopは、Windowsマシンのハードウェアをエミュレートする必要がない。いまでは、MacにもWindowsマシンにもIntel製チップが搭載されているからだ。その結果、Parallelsのソフトウェアは、2種類のOSを同時に動かしてもこれまでのソフトウェアよりかなり速く動作すると、同社は述べている。実際、仮想化技術を使いながらもParallels DesktopでのWindowsプログラムの動作は、Windowsマシンでのネイティブな動作に近い速度が出るという。

 「Parallels DesktopとBoot Campの性能の違いはごくわずかだ。動作は非常に速い」と、ParallelsのマーケティングマネージャーBen Rudolph氏は語る。

 Windows用プログラムが使用可能になることは、Macの売上を押し上げる非常に重要な要因となりうるとみられている。Needham & Companyの金融アナリストCharlie Wolf氏は、13日にApple株式の評価を引き上げ、Boot CampとParallels Desktopのようなプログラムの組み合わせがAppleにとって市場シェアを得るための助けになるかもしれないと述べた。

 「われわれが評価を引き上げるきっかけとなったのは、Windowsアプリケーションを使えるようになれば、相当数のWindowsユーザーがMacに乗り換えるだろうと予測したことだ」とWolf氏は報告書に記している。同氏は、米国の家庭でWindowsマシンを使用しているユーザーの約8%は、Windowsが使用できるならMacに乗り換える可能性があるという、Needhamによる調査結果に触れ、「この規模で増えるとなれば、Appleは米国の家庭用パソコンの市場シェアを3倍近くにまで広げ、世界でのシェアは75%増大するだろう」と、Wolf氏は記している。

完成にいたるまで

 Parallelsによれば、Parallels Desktopのベータテストは2006年4月から実施されており、これまでに10万人以上の人たちが実際に試用したという。関心を寄せるのは、自宅のMacでWindows OSを試したいという熱心な個人だけではない。Windowsが優勢な世界で、Macをもっと幅広く利用できるようにしたいと考える政府機関、企業、学校からも関心が寄せられているのだ。

 たとえば、カナダのウォータールー大学がParallels Desktopをテストしている。大学では、環境調査部門のMacintosh Labでこのソフトウェアを使用して、Macでは利用できない数多くのプログラムを学生が利用できるようにする予定だ。

 「このソフトウェアのパフォーマンスには本当に感心した」と、大学でグラフィックスシステムとCADシステムの管理者を務めるDon Duff-McCracken氏は言う。Duff-McCracken氏は、地形のレンダリングを行う「World Construction Set 6」など、プロセッサ性能を集中的に必要とするソフトウェアを、Parallels Desktopを使って動かしていると言う。

 Duff-McCracken氏は、同じアプリケーションをParallels Desktopで実行した場合と、Boot Campで起動したWindows上で直接実行した場合を比較した。Parallels Desktopでのパフォーマンスは、Boot Campに比べて1、2%の違いしかなかった。また、いずれの場合でもMacは、最近同大学に導入された数台Dellのマシンより速く動作したという。

 「このような高機能なソフトウェアが、ネイティブの速度で動作する」とDuff-McCracken氏は語った。

 Boot Campは、基本的にWindowsとMac OSのどちらか一方をMac上で実行するツールだが、Parallels Desktopは、両方のOSを同時に動かす。これを実現するため、Windowsは、本質的に別個のマシンであるかのように動作する仮想マシンとして実行される。

 一方、Boot Campはまだベータ版の段階で、Appleは次期Mac OS X「Leopard」に組み込むことを表明している。Leopardの主な機能については、2006年8月の開発者会議の場で明らかにされると見られる。

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