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注目を集める「ソフトフォン」--各社の動きが活発化

2005/09/27 12:07
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 Mark Brukは出張が多く、イヤフォンとマイクのついたPlantronicのヘッドセットを常時携帯している。これを適当なコンピュータに接続して安く電話をかけるためだ。

 同氏は、インターネット回線を見つけてしまえば、あとはソフトウェア(「ソフトフォン」)をダウンロードするだけで、Voice over Internet Protocol(VoIP)技術を使った電話をかけることができる。同氏の会社が開発したこのソフトウェアは、わずか約30秒でダウンロードでき、あっという間に通話ができてしまう。

 Brukは、VoIPプロバイダーであるCounterPath SolutionsのCEO(最高経営責任者)だが、いざとなればもちろん普通の電話も利用する。しかし同時に、ブロードバンドのインターネット回線と軽量ソフトウェアを使って電話代を大幅に節約するなど、時代の最先端も走っている。

 Brukの会社は、Yahooにオーディオ関連技術を提供しているが、全米の人々が携帯端末上でVoIP対応のソフトフォンを使えるようになるのも時間の問題だと同氏は語る。ウェブユーザーはすでに、America Online、Yahoo、Google、そしてMicrosoftのMSNといった人気の高いインスタントメッセージ(IM)アプリケーションを通じてPC同士での音声通話を行っている。

 だが、現在大きな注目を集めているのは、これらの企業がPC以外の携帯端末に提供する計画のVoIPサービスの内容だ。

 RedTie社長のScott Urlickは、「各社は自前のネットワークや電話機を使うようになるのだろうか、それとも他社のものに自社ブランドを冠したサービスになるのだろうか」と語る。RedTieはワシントン州シアトルのメディア技術コンサルティング会社だ。

 eBayが26億ドルの現金と株式を投じてSkypeを買収すると発表して以来、業界にはVoIPの将来についてさまざまな議論が巻き起こっている。Skypeは、コンピュータを使って音声通話を実現する消費者向けソフトウェアの草分けだ。これに輪をかけるように、GoogleもIM/音声アプリケーションを投入してVoIP市場に参入してきた。同社はまた、無線端末への電話/情報サービス提供に役立つ消費者向けWi-Fiサービスのテストも進めている。

 Skypeの買収は、Verizon CommunicationsやSBC Communicationsといった従来の電話会社からのサービスを受けずに済むように、消費者が通話手段の見直しを進めているとするIT企業幹部らの確信の現れだ。VoIP技術によって、電話はIPネットワーク上で動作するソフトウェアの1つにすぎなくなってしまう。

 Googleが、Googleフォン向けに自前のソフトウェアとハードウェアを開発中だとの噂もすでに飛び交っている。また、Apple ComputerのiPodをiPhoneに変えたり、PDAをPDAフォンにするプラグインソフトウェアも容易に想像できる。

 韓国では、Samsungが300万画素のデジタルカメラを販売している。これは、一見すると普通のデジタルカメラだが、背面をスライドさせるとボタンが表れて電話がかけられるようになるというものだ。同じく韓国のUbistarも、64メガ〜1Gバイトの記憶容量があり、ソフトフォンが予めインストールされたメモリースティックを販売しているが、この製品にはマイクとイヤフォンが付属する。また、BrukはUSBキーに自社のソフトウェアを保存して持ち歩いている。こうすれば、手近にあるコンピュータにこれを差すだけで済み、インターネット上からデータをダウンロードする必要がない。

 TalkPlusという新興企業を創業したJeff Blackによると、同氏は消費者向けVoIPサービスのブランド別提供についてポータル全社と交渉中だという。TalkPlusは、10人同時の電話会議といった機能を持つソフトウェアサービスを販売している。このソフトウェアには、一定の時刻を過ぎると仕事の電話は拒否しながら、個人的な電話は受けつけるというプライバシーコントロール機能もある。

 この市場を大きく成長させたのはSkypeの功績だ。Skypeの無償ソフトウェアをPCにダウンロードした人は、わずか2年でおよそ5300万人に達した。このソフトフォンを使えば、世界中のSkypeユーザーとインターネット経由で無償で通話できるようになる。また、月極利用料を支払ってPCから携帯電話や加入者電話と通話を行っているユーザーも200万人以上いる。

 VoIPをサポートする製品が普及するにつれ、その人気もますます高まっている。Infonetics Researchのレポートによると、2008年までにはブロードバンド・インターネット回線利用者の40%が音声サービスを利用するようになるという。この伸び率でいくと、VoIP利用者の総数は昨年の110万人から2008年には2430万人に達する計算になる。

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