Associated Press(AP)の報道によると、ブラジル裁判所の命令により現地時間9月26日、Googleのブラジル法人の代表を務める人物が拘束されたという。
この件は先週、ブラジルの裁判所が、YouTubeに投稿された政治家を中傷する動画の削除をGoogleに命じたにもかかわらず、同社がその命令を拒否したことに端を発している。なお、同国の法律によると、立候補者への公の批判は制限されている。
Googleは該当動画の削除を行わなかったため、Flavio Peren判事は州全域で、GoogleおよびYouTubeのサービスを24時間にわたって停止するよう命じるとともに、同社の幹部であるFabio Jose Silva Coelho氏の逮捕を命じた。
APによると、ブラジルの連邦警察は、Coelho氏が裁判所に後日出頭することに同意すれば、同日中に釈放されるはずだと述べたという。
問題の動画には、カンポグランデの市長選に立候補しているAlcides Bernal氏を批判する内容が含まれている。YouTubeを検索すると、Bernal氏を採り上げている動画が複数表示され、そのなかには同氏がマネーロンダリングにかかわっていると糾弾しているものも含まれている。APによると、Bernal氏に対して子どもの認知を求める訴訟が起こされているという扇情的なコメントの付いた動画もあるという。
GoogleがAPに語ったところによると、同社は判事の決定に対して異議申し立てを行っているという。同社は「Googleはプラットフォームであり、自社サイトに投稿されたコンテンツに対する責任は負わない」と述べている。
政治的な内容を含む動画の他にも、ブラジルの裁判所はGoogleに対して、中東全域にわたるデモ発生のきっかけとなった「Innocence of Muslims」という映画のトレーラーをYouTubeから削除するようにも命じている。同映画は、予言者であるムハンマドをおどけた、女癖の悪い変質者として描き、侮辱する内容となっている。この件では、判事はGoogleに対して10日以内に同動画をYouTubeから削除するよう命じている。そして同社がこの命令に従わなかった場合、同動画がYouTube上で公開されている限り、1日当たり5000ドルの罰金を科すとしている。
Googleは反イスラム的な内容のこの動画をエジプトやリビア、インドネシア、サウジアラビア、インドから閲覧できないようにブロックしている。パキスタン政府は、同社が同動画のブロックを拒否したとして、YouTube自体のブロックを決定した。また米国では、同映画に出演した女優が、事前に誤った情報を与えられたとして、そのトレーラーをYouTubeから削除するよう求めて同社を告訴している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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