廣済堂と日本IBMは11月29日、出版社向けに電子出版事業を総合的に支援するクラウドサービスの提供を2011年春から開始すると発表した。
電子書籍へのニーズの拡大を受け、廣済堂では8月に、電子書籍の検索、購入、読書などを1つのアプリで実施できる電子書籍書店アプリ「BookGate」をオープンしている。利用者にとっての利便性が高まる一方、出版社にとっては、電子書籍に対応した売上や印税支払いなどさまざまな業務が発生し、それらを管理するシステムの構築には、一般的に数百万円から数千万円程度の投資が必要となっているという。
同サービスは、電子出版物の販売開始から売上管理、印税の支払いまで一連の煩雑な業務を総合的に支援するもの。自社でシステムを構築、運用する予算や要員を割くことが困難な出版社向けに、システムをクラウドコンピューティング形式で提供し、月額料金を数万円程度に設定する予定という。
具体的には、コンテンツごとに基本情報や画像データ、中間ファイルを一元管理できるコンテンツ管理機能、各チャネルの契約条件や付帯条項を個別に管理できるほか、異なるフォームで報告される売上データを一括で取り込んで集計できる売上管理機能、契約条件を管理し印税の計算や支払い通知書を自動作成する印税支払い管理機能などを備える。
同サービスの提供にあたっては、IBMのパブリッククラウドサービス基盤を活用する。これにより、サービスの利用を希望する出版社に対して、即座にサービスを提供できるほか、厳格なアクセス制限や定期的なウィルスチェックなどにより、強固なセキュリティを持ったサービスを提供できるとしている。
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