世界の大手携帯電話ネットワーク事業者が香港の現地時間11月18日、ナビゲーション機器、カメラ、携帯ゲーム機、音楽プレーヤーなどにGSM無線技術を展開する取り組みを発表した。2012年から登場する予定だという。
携帯電話ネットワーク技術として広く使われているGSMを管理する業界団体のGSM Association(GSMA)によると、AT&T、Verizon Wireless、Vodafone、China Mobile、Deutsche Telekomなどからなるタスクフォースが、SIMカードを電話以外のさまざまな機器に埋め込むための作業を開始しているという。SIMカードは取り外しのできる小型のチップで、GSM無線ネットワーク上で携帯電話の識別に使われているが、埋め込みSIMはさらに機器固有の部品に近くなり、また遠隔からアクティベートが可能になる、とGSMAは話している。
GSMは携帯電話向けの技術として始まったが、現在の3GやこれからのLTEにより、データ通信でも利用されている。埋め込みSIMの取り組みは、GSMの系譜が音声通話を超えてさらに拡大することを示唆している。
これまでSIMカードは、「iPad」やサムスンの「Galaxy Tab」のようなタブレット端末や一部のノートPCを除くと、携帯電話以外で幅広く使われることはなかった。しかし、携帯電話ネットワークの事業者が埋め込みSIMに興味を持つ理由は明白だ。モバイル接続の重要性が高まるなかで、Wi-Fiネットワークは不完全なパッチワークだし、WiMAXは少なくとも今のところ、広い範囲でネットワークを利用可能にする約束を果たせていない。新しい機器が登場してインターネットに接続できるようになれば、多大な利用料が流れ込んでくる。
GSMAの最高経営責任者(CEO)であるRob Conway氏は声明で、「この業界が携帯電話の接続から幅広い機器の接続に移行するなかで、埋め込みSIMによって柔軟性を高められるのは明らかだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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