Opera Softwareは10月14日、ノルウェーでイベント「Up North Web」を開催し、ウェブブラウザの最新版「Opera 11」を発表した。
Opera 11はこれまでユーザーからの要望が多かったエクステンション(拡張)を搭載するのが特徴。FirefoxやChromeと同様に、ユーザーが自由にOperaに好きな機能を付け加えられるようになる。拡張の管理画面も開発中で、イベント会場でデモが披露されていた。製品担当者によれば、拡張機能をインストール、アンインストールするにあたってブラウザの再起動は必要ないとのこと。
デモではブラウザ上でマウスオーバーした単語をWikipediaで検索する拡張やソーシャルブックマークサービス「Reddit」に登録する拡張が公開された。開発中の管理画面にはFacebookのアップデートを知らせてくれる拡張やYouTubeの動画をダウンロードする拡張などがインストールされているのが見えた。Opera 11の拡張はW3Cの定めるWidgetの仕様をベースとし、HTML5やCSS、JavaScriptなどのウェブ標準技術を使って開発できるようにするという。
Opera製品の総責任者を務めるChief Product Development OfficerのChristen Krogh氏は「拡張機能はOperaにとってパズルの最後のピースになる」と話す。ユーザー数が順調に増加しているOperaだが、拡張を通じて広い要望に応えることで利用者増に弾みをつけたい考えだ。
ただユーザーにとって心配なのは、多くの拡張をインストールするとブラウザそのもののパフォーマンスが低下しないかということだ。この疑問についてKrogh氏は、「Mozilla(のFirefox)のように重くはならない。そうならないような技術を選択した。我々は多くの拡張を動かせるようにリソースについては慎重に検討している」と説明した。
タブブラウジングやマウスジェスチャーなど現在のウェブブラウザの標準機能はOperaが決定してきたと言える。そしていまOperaが新たに標準化しようとしているのが拡張の仕様だ。FirefoxやChrome、Safariといった主要ブラウザが拡張を採用しているにもかかわらず、それぞれの拡張には互換性がない。Operaはウェブの標準技術を拡張にも適用し、すべてのブラウザで同じ拡張を使いまわせる環境作りを目指す。そのためには他社にも積極的に働きかけていく考えだ。
拡張に関する開発者向けの情報はOpera 11アルファ版のリリースと同時に公開される。時期は未定だがOpera 11の特設サイトは用意されている。
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