ヤマハ、“音響看板”開発--デジタル情報を音に変調する技術活用

新澤公介(編集部)2010年09月28日 20時12分

 ヤマハは9月28日、新たな情報提供媒体として、音で情報を伝達する「サウンドサイネージ」を発表した。今秋から実証実験を実施する。

 サウンドサイネージは、電極に電圧を与え振動膜を振動させて音を出す、厚さ1.5mmの静電スピーカー「TLF-SP」と、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する音響データ通信技術「インフォサウンド」を組み合わせたシステム。サウンドサイネージでは、たとえば大型家電販売店の店内スピーカーや音の出る屋外広告から、クーポンやキャンペーンURLを直接携帯端末に配布できるようになるという。

 TLF-SPは、ポスターのように平面状で使うとほぼ正面方向にのみ音を出せ、遠くにも明瞭な音を伝えることができる音響特性が特長という。インフォサウンドは、人間にはほとんど聞こえないが、通常のスピーカーで再生できる可聴帯域内の約18kHz以上の高域を利用しており、耐ノイズ性が高く10m以上の領域にデータを伝送できるという。インフォサウンドを携帯端末のマイクで受信するとURL情報に変換されるため、さまざまな情報を配信できるという。すでにインフォサウンドを利用するためのiPhoneアプリ「インフォサウンドブラウザ」をApp Storeで無料配信している。

インフォサウンド インフォサウンドの仕組み。携帯端末のマイクで音を受信し、サーバでURL情報に変換する

 実証実験ではサウンドサイネージの広告媒体としての効果を探り、ビジネスモデルの確立を目指すという。また、10月5日から開催される「CEATEC JAPAN 2010」では、サウンドサイネージを使って“音のスタンプ”を集める「サウンドスタンプラリー」を実施するとしている。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]