検索大手のGoogleは、中国や他の国々との検閲をめぐる争いを受けて、各国政府が同社のサービスをブロックしている状況や自国ユーザーの情報開示を要請した回数を明らかにする新しいツールを公開した。
Googleの新しい「Transparency Report」(透明性レポート)は、情報を2つのセクションに分けて表示している。
第1の「Government Requests」(政府からの要請)セクションでは、インタラクティブな地図上で、各国政府がGoogleの検索ページや「Gmail」、YouTubeなどのサービスから、コンテンツを削除するよう同社に要請した回数を確認できる。Googleはさらに、その要請に実際に従った回数も明らかにしている。このページはまた、同社が各国から特定のユーザーアカウントに関する情報の提供を要請された回数も詳細に示している。
地図上の表を下にスクロールすると、各国の統計値を閲覧できる。また、地図上で特定の国をクリックすると、詳細な説明とその国からのすべての要請を一覧できる。現時点では、このページは2010年1〜6月の半年間と、2009年7〜12月の半年間のデータを提供している。たとえば米国は、2010年の1〜6月にユーザーデータに関する要請を4287回行っている。また、678項目の削除を要請し、Googleはその要請の82%に完全または部分的に応じている。
このデータからは、Googleが政府からの要請に異議を唱えたのかどうかという舞台裏までは読み取れないが、同社はFAQページの中で、将来的にはそのようなデータを詳しく公開したいと述べている。
第2の「Traffic」(トラフィック)セクションには、Googleの各サービスが毎日取得するトラフィックの量が表示されている。このインタラクティブなグラフを見れば、特定の国によって一時的または継続的に遮断されているサービスの種類も確認できる。たとえば、イランを選択してYouTubeをクリックすると、不正が疑われた2009年6月12日の大統領選挙以降、イラン政府がGoogleの人気の高い動画サイトをブロックしていることがわかる。
Googleは、中国との関係で直面している騒動や論争を踏まえ、この新しいツールでより多くの情報の流れを提示できるようにしたいと考えている。Googleの最高法務責任者を務めるDavid Drummond氏は、この透明性レポートに関するブログの投稿で、同社はこの種の透明性が検閲への抑止力になり得ると考えていると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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