Microsoftは米国時間7月12日、顧客企業やパートナー企業が自社データセンター内で「Windows Azure」のプラットフォームを運用できるようになる新しいサーバアプライアンス製品を発表した。
Microsoftは以前、顧客がクラウドベースのオペレーティングシステムを独自にホスティングできるようになる可能性を示唆していたが、それに向けての具体的な計画などは明らかにしていなかった。
Microsoftがこの日発表した「Windows Azure platform appliance」は、数百台のサーバで構成され、それらをネットワーク機器やその他のコンポーネントとともにコンテナサイズのパッケージに収めたものになる。さしあたっては、Hewlett-Packard(HP)、Dell、および富士通が同アプライアンスの販売パートナーとなる予定だが、価格や発売時期などの詳細はほとんど明らかになっていない。
このハードウェアメーカー3社は当面、自社のデータセンターにAzureアプライアンスを実装して顧客にサービスを提供する予定だが、計画ではさらに、独自のハードウェアを構築して企業に販売できるようにするという。
Microsoftはすでに、コンテナ型ユニットに収めたAzureサーバを自社データセンターに導入しており、さらには今後、屋外にも設置可能なユニットを作成する計画も打ち出している。
Microsoftはこの日、ワシントンD.C.での同社イベントWorldwide Partner Conference(WPC)の開幕に合わせて複数の発表を行った。Azureアプライアンスの概要のほかには、「Windows 7」と「Windows Server 2008 R2」初のサービスパックのベータ版公開、およびクラウドベースのパソコン管理サービス「Windows Intune」の価格と新しいベータ版公開が発表となっている。
Windows Azureは、2008年のProfessional Developer ConferenceにおいてMicrosoftが初めて概要を明らかにしたもので、2010年初めからは有料サービスとして提供されている。現在、有料サービスのユーザーは1万社にのぼり、ユーザーのアプリケーションはすべてMicrosoftのデータセンターから実行されている。
Azureアプライアンスに関して、Microsoftはまだ多くの詳細を明らかにする段階ではないとしながらも、Azureのメリットを活用したいが、規制やその他の理由でデータを物理的に管理する必要のある顧客企業やパートナー企業にとっては、魅力的な選択肢になるはずだと語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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