AT&Tは、米国の一部地域で「iPhone 4」の上り通信速度が遅くなっている問題について釈明し、Alcatel-Lucentが同社に供給している3Gネットワーク通信装置のソフトウェアに問題があるとの見方を明らかにした。
AT&Tは米国時間7月7日、Alcatel-Lucentが同社に供給している通信装置のソフトウェア上の欠陥により、「HSUPA」と呼ばれる最新の3G技術を採用したスマートフォンとデータ端末からの上り回線速度が制限されていると説明する声明を発表した。HSUPAは「High Speed Uplink Packet Access」の頭文字をとった略称で、上りの通信速度スピードを最大5.7Mbpsまでに高速化する規格だ。
AT&Tの広報担当者、Jenny Bridges氏によると「AT&TとAlcatel-Lucentは共同で、一定条件下で発生するソフトウェアの欠陥を特定した。対象となるのは、Alcatel-Lucentの通信装置が使われている地域で、3G HSUPA対応の通信機器を利用している『LaptopConnect』およびスマートフォンの顧客だ」という。
AT&Tが提供しているスマートフォンでHSUPAを採用しているのは今のところiPhone 4のみであることから、AT&Tは同社の通信サービスを利用する顧客で影響を受けているのは少数に限られると説明した。これにはHSUPAを採用している、一部のノートPC向けデータ端末の利用者も含まれる。AT&Tによると、同社は応急的に、上りのデータ速度を通常の3Gのスピードまで戻す措置をとった。つまり、この問題が完全に解消されるまで、上りのスピードは最高384Kbpsになるということだ。
Bridges氏は声明でさらに「影響を受けるのは当社のワイヤレス通信サービス総利用者の2%未満だ」と述べ、「Alcatel-Lucentが適切なソフトウェア修正を開発するまで、HSUPA対応機器で影響を受けている顧客に対し、当社は通常の3Gの上り回線速度と安定したパフォーマンスを提供していく」としている。
7月最初の週末に入り、iPhone 4ユーザーが上り回線のスピードが非常に遅いことに気がつき始めたことで、この問題は表面化した。それまでは1.7Mbpsといった上り速度を利用できていた人々から、100Kbps以下までスピードが低下したとの報告があがったのだ。この速度低下で、ユーザーは電子メールの送信や、ビデオや写真のアップロードや送信が困難になった。
AT&Tは通信ネットワークのすべてでAlcatel-Lucentの通信装置を採用しているわけではない。米国でもニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンD.C.、ソルトレークシティ、シアトルなど、一部の地域でのみ問題が発生している理由も、これで説明がつく。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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