フリービットは6月23日、同社独自のクラウドサービスを融合したネットブック機能付きフォトフレーム「ServersMan Cast@net」(サーバーズマン・カスタネット)を発表した。月額2100円の接続課金型(12回払い)と、2万4800円の一括支払い型の2種類から選択できる。7月1日から先行予約の受付を開始する。
ServersMan Cast@netは、Android OSを搭載したネットブックにServersManソフトウェアをアドオンしたデジタルフォトフレーム。フリービットと同社子会社エグゼモードが2009年に発表した「Ubiquitous CEプラットフォーム」に属する製品の第一弾であり、日常生活にクラウドコンピューティングの利便性を溶け込ませる意図のもと開発されたという。
ServersMan Cast@netのスペックは、8インチ/SVGAタッチ液晶にフラッシュメモリ2Gバイト、内蔵メモリ256Mバイト、USBポートとSDカードスロット各1基というもの。OSはAndroid 1.5、ARM 11ベースのCPUにより、第2世代iPhone相当のパフォーマンスを実現するという。通信方式はイーサネットとWi-Fiに対応、USBポート接続タイプの3G通信デバイスもオプションで提供される。
フリービット代表取締役社長兼CEOの石田宏樹氏は、ServersMan Cast@netを「ネットブックとして最低限の機能を持ちながら、クラウドのフォトフレームとしての機能を備えつつ、それらをマージし空気のようなユーザーインターフェイスを備えている」と説明。PCの普及度は頭打ち傾向にあるが、家電製品に同社のクラウド技術を持ち込むことにより、新しい市場を開拓していくことが狙いだという。
フォトフレームを選んだ理由については、「外からコントロールする家電は常時接続と常時通電、静音性の条件を満たし、家庭内において違和感のない形状を持つことが重要。タブレットのようにスリープする機器は対象となりくい。フォトフレームであれば、クラウド対応のデバイスでありながらそれが可能だ」(石田氏)として、空間に溶けこみやすい認知度の高いデバイスという点が考慮されたという。
製品の設計と製造はエグゼモード、ユーザーおよび機器の認証がServersMan、課金がDTI、ユーザーサポートは子会社のシルクホットラインと、Androidを採用したOSレイヤーを除いた部分を同社グループ企業が担当する。「ネットワーク機器はサポートが難しい。動作不良があった場合、問題発生個所を切り分けるには相応のノウハウが必要だ。今回の製品では、デバイスからServersManまで一気通貫したサービスを提供する」(石田氏)として、Ubiquitous CEプラットフォームのコンセプトに沿う製品であることが強調された。
ServersMan Cast@netは、自律動作するウェブサーバを内蔵するというServersManシリーズの特徴を踏まえ、デバイスへ直接写真をアップロードすることが可能。撮影した写真は、ServersManシリーズ用グルーピングソフト「Scooop」でただちにServersMan Cast@netへ転送できるほか、Wi-Fi機能付きSDカード「Eye-Fi」を使いデジタルカメラからリアルタイムにアップロードすることもできる。
「クラウドの場合、アップロードした瞬間にデータの実際の保存場所が不明になるが、デバイスへ直接アップロードするServersMan Cast@netの場合、転送制限を受けることがなく、所有したデータを手元に置ける安心感もある」(石田氏)と、ユーザーの理解を得られやすいことについても言及された。
ServersMan Cast@netは、ブラウザ上から写真の管理やアドレス帳の編集といった遠隔操作を実現する「AirDisplay」を搭載。Google Chromeやドキュメントビューアを収録するなど、ネットブックとしても利用できる。アプリの追加にも対応するが、Android Marketには対応せず、独自のインストールシステムを搭載している。
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