Appleがこのほど開発者向けSDK利用規約をアップデートし、「iOS」プラットフォームに取り組んでいる開発者たちは、わずかながら譲歩を勝ち取った。
Appleは5月にもiOS(旧名称「iPhone OS」)の開発者向け規約をひっそりとアップデートし、「翻訳を介したり、互換性レイヤまたはツールを用いて公式APIにリンクするアプリケーションを禁止する」と定めている。この変更は、Adobe Systemsとの確執にさらに拍車をかけるものだった。
このときの変更は、開発者が複数のデバイスで動作する(たとえば、Appleの「iPhone」だけでなく、競合他社のデバイスでも利用できる)アプリケーションの作成が可能なプラットフォームの使用を排除する動きとして広く受け止められた。こうしたプラットフォームには、Adobeの「Flash」も含まれる。
しかし今回、Appleは規約をわずかに改訂した。最新の規約には次のように書かれている。
Appleが書面で承認する場合を除き、Appleの公式API、およびあらかじめ組み込まれているインタプリタによって解釈、実行されるコード以外のインタプリタコードをアプリケーションでダウンロードまたは使用することを禁止する。上記にかかわらず、事前にAppleの書面による同意があれば、そのアプリケーションが本来意図し、宣伝しているところの目的と矛盾しない小規模な機能または機能性の提供に用いる場合に限り、アプリケーションは埋め込み型のインタプリタコードを限定的に使用することを許可される。
規約は依然としてFlashを排除しているものの、今後はAppleの書面による許可があれば、多くの「iPhone」および「iPad」向けゲームが採用している再利用可能なコードエンジンまたはライブラリを使用できることになった。
なぜ、方針を変えたのだろうか。理由ははっきりとはわからないが、おそらく「App Store」で絶大な人気を博しているiPhoneおよびiPad向けゲームのさらなる開発を奨励し、これを制限しないための措置だろう。
また別の理由も思い当たる。モバイルソフトウェアプラットフォームをめぐる方針で独占的傾向を強めているAppleに対して、独占禁止法規制当局の目が厳しくなっているのだ。米国時間6月11日には、米連邦取引委員会(FTC)がAppleの商慣行に対して調査を開始する計画だと報じられた。Flashをめぐる騒動や、もっと最近ではAppleが自社の「iAd」プラットフォームから非独立系の広告ネットワークを排除する決定を下したことが、その理由だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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