Microsoftは米国時間6月2日、写真およびビデオの管理やファイルの同期のためのダウンロード可能な「Windows Live」の各種プログラムに対し、同社が加えている一連の改良点の概要を説明した。
2010年は「Windows」のメジャーアップデートがないため、Microsoftは、Windows Liveの改良を、2010年の年末商戦に向けたWindowsのアピールポイントにしたいと考えている。
同社ゼネラルマネージャーを務めるBrian Hall氏は電話インタビューで、「新しいアプリケーションスイートによって、『Windows 7』を活気づける」と述べた。
「Windows Live Photo Gallery」「Windows Live Movie Maker」「Windows Live Mail」「Windows Live Sync」に対するアップデートが近くベータ版としてリリースされるとHall氏は述べたが、具体的な時期は明らかにしなかった。
Windows Live Photo Galleryの次のバージョンでは、顔認識機能が追加され、汚れや傷を除去するための編集ツールが改良される予定である。Appleの「iPhoto」の最新版には顔検出機能があるが、Microsoftではこれまで、画像の中の顔の存在を検出するだけで、写真に誰が写っているかを認識することはできなかった。Hall氏は、Microsoftの顔認識機能は、同社の研究成果に基づいており、ユーザーの既存のソーシャルネットワークのコンタクトを参照して、写真に写っている人物が誰であるかを認識すると述べた。
Photo Galleryのもう1つの新機能は、複合画像をつなぎ合わせる技術を利用することによって、より優れたグループ写真を撮影することを目的とするものである。ユーザーは複数の写真を撮り、ある人物の画像をある写真から、他の人物の画像をまた別の写真から使用することができる。新しいPhoto Galleryでは、Facebookにアップロードしてタグ付けした写真に対し、そのタグをPhoto Galleryに取り込むこともできる。
Hall氏は、これらのアップデートにより、「Windowsは『Mac』よりも、格段に優れた写真機能を提供する」と主張した。
Movie Makerには、Facebookへのアップロード機能、Photo Galleryから写真キャプションデータをインポートする機能、新しいテーマなどが追加される。
2つのプログラムは、「Windows Vista」およびWindows 7で動作するが、それよりも古い「Windows XP」では動作しない。
Syncに関しては、Microsoftは、既存のSyncおよびフォルダ共有ツールと、テクニカルプレビューとしてリリースされている「Live Mesh」製品を統合する。新しいWindows Live Syncでは、複数のMacおよびPC間で無制限の容量のファイルをPtoP形式で共有することができる。ただしクラウドストレージは2Gバイトに制限される。Live Meshのプレビュー版のユーザーは、5Gバイトのクラウドストレージにアクセスできたが、プレビュー版は小規模のユーザーに提供されていた。新しいWindows Live Syncは、数千万または数億人ものユーザーに対応するように設計されているとHall氏は述べた。
新しいWindows Live Syncによりユーザーは、どのフォルダをどのコンピュータで共有するか、どれをクラウドで共有するかを決めることができる。PtoP形式の共有を可能とすることにより、データの制御を第三者に渡すことなく、ファイルを複数の場所に保存する手段をユーザーに与えるとHall氏は述べた。
「ユーザーのファイルに対する所有権がわれわれにあるなどと主張することなく、ファイルにアクセスするための最大限の機能をユーザーに提供する」と同氏は、クラウドベースの競合企業らに対する皮肉を込めて述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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