Evernoteが今週、プライバシーポリシーを更新する予定であることをひっそりと発表した。サービスを向上するためという名目で、Evernoteの社員の一部がユーザーのコンテンツにアクセスし、内容を確認することを可能にするものだ。
同社は「プライバシーポリシーの更新に関するお知らせ」の中で、ノートを含むユーザーのデータをどのように扱うかを説明した。また、今回の更新は「弊社の機械学習テクノロジーが正しく機能していることを確認することが目的」だとしている。
Evernoteの「機械学習テクノロジー」には、自然言語による検索など、人工知能(AI)的な機能が搭載されているようだ。
今回のプライバシーポリシーでは、ユーザーのデータにアクセスできる一部のEvernote社員に対し、「身元調査を行ったうえで、最低でも年に一度(中略)セキュリティ・プライバシー研修を実施」するという条項が追加されている。
ユーザーは今回の更新をオプトアウトすることができるが、その場合でも、他の条件に適合するケースでは、Evernoteが自分のデータにアクセスすることを拒否できない。こうした条件としては、再販業者との情報共有、販売や配信に関する要望の遂行、さらには法執行機関から要請を受けた場合などが挙げられる。
したがって、Evernoteのユーザーは、2017年1月23日から適用予定の新たなプライバシーポリシーを受け入れるか、データをエクスポートしてEvernoteの利用を完全にやめてしまうか、どちらかを選択しなければならない。
ジャーナリストで作家のFabio Chiusi氏は、ツイートで、この新しいサービス利用条件を批判した。このツイートの中で同氏は、ユーザーはこのプライバシー条項をオプトアウトして以前より機能が劣るサービスを利用するか、この条項を受け入れてEvernote社員が自分のノートが読むことを許可するかを選ぶしかないと主張している。
Forbesはこれについて、一時は「史上最悪のプライバシーポリシー」になる可能性があるとまで述べていた一方で、一部のEvernote社員は「これまでも常にユーザーのコンテンツにアクセスが可能だったが、どういうわけか誰にも気づかれなかった」と記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス