PFUは6月1日、iPhoneアルバムスキャナ「Omoidori(PD-AS01)」を同日より受注開始したと発表した。出荷開始は6月下旬を予定している。価格はオープンで、PFUダイレクト価格は1万2800円(税別)。対応機種はiPhone 6s/6/SE/5s/5。iPhone Plusシリーズは対象外だ。
Omoidoriは、アルバムに貼られた写真を反射なしにきれいにスキャンできるアルバムスキャナだ。iPhoneにセットして、アルバムの写真を1つずつスキャンしていくと、フィルムに覆われている写真も美しくデジタル化できる。
写真のサイズに合わせて自動でトリミングし、さらに顔の向きを自動で検索して写真を回転する機能も備える。
さらに、ドキュメントスキャナScanSnapで定評のあるアプリケーションの技術を応用し、写真に印字された日付を自動で認識して、写真のExifデータを変更する「日付認識」、集合写真など大きな写真を半分ずつスキャンし、1枚の画像に自動で合成する「2L判合成」や「赤目補正」など多くの機能を備える。
PFU 取締役執行役員専務の宮本研一氏は、「20代以降の誰もが持っていると言われるアルバム。その思い出を簡単にデジタル化する手段がなかった。いざ撮ろうとするとフィルムの表面に光が反射したり、台紙からとろうと思うと写真をキズつけてしまったりする。それを一気に解決するのがOmoidori」と説明した。
Omoidoriの開発に至った経緯は、10年前にさかのぼる。宮本氏が開発者に、「アルバムをデジタル化したいんだけど、簡単にできるよね」と軽い気持ちで相談したことがきっかけだったという。しかし、試作機を試行錯誤して数年が経過したものの、結局うまくいかずあきらめていたのだという。
そうして2011年、東日本大震災が発生し、がれきの中から泥だらけのアルバムを大切に抱える姿を見たり一時帰宅した人がアルバムを持ち出したりする姿を見て、「やり遂げたいという強い気持ちに変わり、再度頼み込んだ」と明かした。
それから開発者らはひたすら“光”と戦う日々だったという。テカりを抑えるために写真を覆うと、今度は写真が暗くなってしまう。明るくするために照明を点けると、再びテカりが生まれる。光の出る位置をコントロールするにはどうしたらいいのか。
1つは写真を覆うことで、暗室のような閉じた環境を作ることだった。さらに独自の機構で左右2箇所からLEDのフラッシュを光らせスキャンする。反射していない部分を瞬時に合成して、きれいな画像にする“Wスキャン”を開発した。
撮影した写真は、富士フイルムと提携し、写真プリントやフォトブックもオーダーできる。
PFUでは「少なめに見て2年間で5万台売っていきたい」と意気込む。コンパクトにしたかったため、iPhone 6/6s Plusシリーズには対応しなかったとしたが、Android版には「製品の反応を見ながら、アタッチメントを出すなどして対応していきたい」と意欲を見せた。
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