この2月から神戸市の公式トップページが、風景写真に検索窓を配置しただけという斬新なデザインにリニューアルし、話題となっている。リニューアルの経緯について、プロジェクトを手がけたペタビットのミキ チョクシ氏がCode for Kobeの定例会で説明した。
通常、自治体のトップページデザインは、市民への情報を発信する窓口として新着情報などのメニューがぎっしり並べられている場合が多い。だが、それで目当ての情報にたどり着けるのかといえば必ずしもそうとはいえず、神戸市のトップページも分析したところ、トップページの直帰率は50%以上と2人に1人は次のページに進まずに離れてしまうことがわかった。
ミキ氏らはさらに自治体サイトのトレンドを専門家の協力を得ながら分析し、そこから理想のあるべき自治体サイトとして、市民が困っていることを察知して用意するコンシェルジュとしての役割を果たせるようなページのあり方を提案したところ、2015年7月に採択されたという。
「分析でわかったのは、市民が自治体サイトへアクセスする理由は多様化しており、それに合わせたナビゲーションを作るのは難しいということ。また、現状のページ構成では目的のページにたどり着くまで迷う人たちが多いと仮定し、それを解消する方法としてトップページに検索窓を配置するデザインを考えた」(ミキ チョクシ氏)
コンシェルジュ的な機能として、入力すると関連キーワードがサジェストされるオートコンプリートを用意し、表示されるキーワードも市民のニーズに沿ったものが並ぶよう最適化している。現時点で約5000キーワードを手作業で登録しているが、増えていく情報が自動で反映されるようになるデータベースの構築も目指している。
リニューアル前は、子育て支援に関する情報を探そうとすると、トップにあるメニューから平均して4、5回クリックしなければ目当ての情報にたどり着けなかったが、新しい構造にしてから一発でたどり着けるようになった。さらにリンク先のページにある検索窓も、そのページに関連するキーワードがサジェストされるようカスタマイズしている。
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