ドローンとして知られる無人航空機(UAV)は消費者やマニアの関心を呼んでいるだけでなく、AmazonやGoogleなどの企業もドローンを未来のビジネスモデルに組み込む方法を模索している。例えば、「Amazon Air」は2013年末に発表されたプロジェクトで、「Prime」メンバーがオンラインで注文した製品の即日宅配を目指している。
ドローンをビジネスに活用するという概念はもはや珍しいものではなくなっており、用途は宅配から地上の観察および監視まで多岐にわたるが、もちろん、安全に対する懸念も生じている。
この新しい問題に対処する1つの方法が、UAVごとに飛行空域を割り当てることだ。少なくとも、Amazonはそう考えている。同社は米国時間7月28日、そのような提案を米航空宇宙局(NASA)がサンフランシスコのベイエリアで主催したカンファレンスの出席者に説明した。The Wall Street Journal(WSJ)の報道によると、Amazonは米国の飛行空域を分割して、異なるドローンの種類ごとに割り当てることを提案したという。その飛行空域には、同社のAirプロジェクトにとって好都合な、上空200~400フィート(約60.96~121.9m)の「高速輸送ゾーン」も含まれるという。
その計画では、ドローンが民間飛行機や有人機と衝突するのを防ぐため、上空400フィートと500フィート(約152.4m)の間に緩衝空域が設けられる。したがって、飛行機は500フィート以上の高度で飛行しなければならない(ただし、着陸手順にどのような影響が及ぶのかはまだ説明されていない)。一方、上空200~400フィートの飛行空域は2つに分割される。
衝突や障害物を回避するセンサを搭載するUAVは、高速ゾーンを使用できるようになる。センサを搭載しない消費者向けドローンなどは、「局地的な低速交通」ゾーンしか飛行することができない。
もちろん、Amazonの提案は空港の周辺でドローンを使用することを禁じている。
Amazonは、NASAのドローン運行管理システムの計画で提案されたアイデアを借用して、飛行中のドローンは監視されるべきだと述べている。
Amazon Air担当チーフのGur Kimchi氏はWSJに対し、この提案は安全であると同時に商用UAVの要求も満たす飛行空域環境を作り出すのに寄与するだろう、と述べた。
「われわれが求めているのは、革新に制限を設けないモデルだ。そのモデルで重要なのは、既存のものをいかに変えるか、ということである」(Kimchi氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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