米国Walt Disneyの研究機関Disney Researchは、ロボットを動かすのに必要不可欠な新型アクチュエータとして、ナイロン糸をコイル状に加工して人工筋肉と呼べるほど高い応答性を持つ「Super-Coiled Polymer(SCP)」を開発した。SCPで作動するロボット用の腕を試作し、低コストかつ高性能なロボット用の“筋肉”を実現できることを示した。
Disney Researchによると、動物の筋肉は重さの割に強い力を出すことが可能で、伸張性、圧縮性、応答性に優れ、作動範囲が広いそうだ。これに比べ既存のロボット用アクチュエータは性能が見劣りし、特に筋肉のような細長い形状にすると性能不足が顕著だという。
今回開発したSCPの材料は、電導性ナイロンの釣り糸や縫い糸であり、普通の店舗で購入可能な一般的な素材。こうしたナイロン糸は電流を流して発熱させると縮む性質を備える。何重にも巻き付けてコイル状にすると収縮し、冷やすと伸びる現象を利用して、筋肉のような動きを再現するわけだ。実際に人工筋肉を試作してテストしたところ、応答にかかる時間は30ms未満で、人間の筋肉より応答性が高かった。
Disney Researchは、このSCPアクチュエータの詳細を論文「High-Performance Robotic Muscles from Conductive Nylon Sewing Thread」(電導性ナイロン縫い糸による高性能なロボット用筋肉)で紹介している。
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