サンフランシスコ発--新興企業が巨大なライバルの関心を引いた場合、それは懸念でもあり、賛辞でもある。
そして、米国時間3月15日午前、PayPalがSquareへの敵対心をあらわにした。Squareはサンフランシスコに拠点を置く新興企業で、中核事業は小売業者や個人が携帯電話を通してクレジットカードを受け付けられるようにするデバイスだ。
eBayの一部門であるPayPalは15日、スマートフォンのヘッドホンジャックに接続する、青い三角形のデバイスをリリースした。それは、「PayPal Here」と呼ばれる。
eBayのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)John Donahoe氏の挨拶を皮切りに、サンフランシスコのGhirardelli Squareでデバイスの発表イベントが開催された。この場所が選ばれたのは、そこに多くの中小企業や小売業者が存在するからだ。
Donahoe氏は、新興企業のSquareを社名を出さずに攻撃する前に、「われわれは、オフライン世界の小売業者にPayPalを提供する」と述べた。「この製品の方が優れている。この製品にはPayPalの後ろ盾がある。それは1億人の顧客によって支えられている。世界中のさまざまなブランドから信頼を得られるだろう」(同氏)
PayPalのモバイル担当バイスプレジデントであるDavid Marcus氏は、戦略を詳細に説明した。同氏によると、大きなセールスポイントの1つは価格だという。デバイスおよびアプリは、消費者と小売業者に無料で提供される。PayPal Hereは決済が行われたときに2.7%の手数料を請求するが、Squareは2.75%を請求する。さらに、小売業者は1%のキャッシュバックに対応したデビットカードを受け取れるので、決済価格は事実上1.7%になる。
PayPalは、小売業者が同デバイスを設置していない場合にクレジットカードや小切手を写真撮影できるようにするなど、機能面でもSquareを追い越そうとしている。Marcus氏は、「われわれは物々交換こそしないが、あらゆる支払い方法を受け付けることができる」と述べた。
PayPal Hereは、中小企業の社員がクライアントに送信可能な請求書を即座に作成するシステムも備えている。Marcus氏は配管工Joeさんの例を持ち出した。Joeさんがあなたの家に来て、配管作業を行った後、大量の書類を並べる。Marcus氏は、「もうそんなことをする必要はない。携帯電話を取り出して、作業を済ませることができる」と述べた。
現在、トライアルに参加した小売業者で試験運転しているPayPal Hereは15日、米国とカナダ、オーストラリア、および香港で展開される。4月には、それ以外の国でも提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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