Googleでは、進捗が早くて破壊的な影響をもたらすプロジェクトと、ゆったりと進む既定事業の間に常に緊張状態が存在する。
Googleが「Google Labs」を閉鎖したときのように、既定事業側が勝利を収めることもある。しかし、同社内に新興企業精神を育もうとする試みは続いている。今回は、最新のロボット工学などを研究する「Google X」と呼ばれるプロジェクトの新しい情報が明らかになった。
Google Xという名称は数カ月前に元TechCrunchのMG Siegler氏とBusiness InsiderのNicholas Carlson氏を通して明かされた。しかし、The New York Times(NYT)のClair Cain Miller氏とNick Bilton氏が今回、Google Xに関するさまざまな情報を含む記事を掲載し、より多くの詳細が明らかになった。
NYTの報道によると、Google Xの研究は未公表の場所で行われており、今日のテクノロジを少し、あるいは大幅に超越した種々雑多な分野が対象になっているという。Google Xのプロジェクトには、Googleの自動運転自動車や、貨物を軌道上に運ぶ宇宙エレベーター、古くから語り継がれてきたインターネットによって実現される空想の数々、ネット接続機能を備えた冷蔵庫などが含まれる。
Google Xで進行中の100件のプロジェクトを考え出したメンバーには、同社共同創設者のSergey Brin氏とLarry Page氏、前最高経営責任者(CEO)で現在は会長を務めるEric Schmidt氏などの幹部陣も含まれる。同報道によると、Brin氏はこのプロジェクトに積極的に関わっているという。
NYTによれば、他には、人工知能およびロボット工学の専門家であるSebastian Thrun氏や機械学習の専門家であるAndrew Ng氏、任天堂の「Wii」コントローラの大規模なハックを行った後でMicrosoftの「Kinect」ゲームコントローラの開発に貢献したJohnny Chung Lee氏などが携わっている。Ng氏とThrun氏はスタンフォード大学の研究者でもあるが、Lee氏は「Internet of things」に関するGoogleの研究に関わっているようだ。Internet of thingsは、コンピュータ以外のさまざまなデバイスもネットに接続するという、何年も前からある概念だ。
企業の世界において初期段階の研究は幾分珍しいものだが、Googleは従来より、解決不可能と思われる問題に取り組むという理想を大切にしている。これまでに明らかになっているGoogle Xプロジェクトの興味深い一面は、ソフトウェアだけでなくハードウェアも対象になっているということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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