Adobe Systemsのブラウザプラグイン「Flash」に最初に大きな打撃を与えたのは、Appleの「iOS」だった。Flashは現在、その存続性を脅かす別の大きな脅威に直面している。Microsoftが、「Metro」版の「Internet Explorer 10」(IE10)において、Flashを含むすべてのプラグインを排除した。
Metroは、大幅に刷新された「Windows 8」の新しい外観において中心的な役割を担う、最新型の「タッチ用途に最適化された」ユーザーインターフェース(UI)である。Microsoftは、Windows 8を2012年にリリースする計画だ。この新しいOSは、2つのバージョンのIE10を搭載する予定で、一方はMetro版であり、もう一方は改良を加えた現行の「Windows 7」インターフェース版となる。従来版のIE10はプラグインに対応するが、Metro版は対応しない見込みだと、IEチームを率いるDean Hachamovitch氏は同社BUILDカンファレンスの会期中である米国時間9月14日夜、ブログ投稿で述べた。
同氏の言葉は、Flashに批判的な人々や、Flashにとって代わることを目的として設計されることの多い一連の新しいウェブ規格を好む人々の耳には心地よく響いたに違いない。Hachamovitch氏は次のように記している。
MetroスタイルのプラグインフリーなIEを稼働すると、バッテリ持続時間が長くなり、消費者のセキュリティ、信頼性、およびプライバシーも高くなる。プラグインは、ウェブの歴史における初期の時代には重要だった。しかしウェブはそれ以来、HTML5によって大きく発展した。旧式のプラグイン技術との互換性を維持していたのでは、MetroスタイルのUIを使った閲覧における消費者体験が、向上するどころか低下してしまう。
Adobeにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
しかし、Microsoftの決断の犠牲になったのはAdobeだけではない。Microsoft自身も、同社のプラグイン「Silverlight」を失うことになる。Silverlightは、デスクトップブラウザで広く使用されるFlashの勢いをまったく止めることができなかった。
ただし、MicrosoftがBUILDカンファレンスで時間を割いて説明したように、SilverlightアプリケーションはMetroアプリケーションに変換することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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