オーストラリアのアウトバックをトレッキングしたり、アラスカのツンドラを犬ぞりで滑走したりしているときに電子メールを送信する必要が生じたら、皆さんはどうするだろうか。あるいは、大西洋のど真ん中を航行しているときに、スポーツの試合結果を確認したくなることもあるかもしれない。
衛星携帯電話サービスを提供するIridium Communicationsは米国時間9月7日に新製品を発表した。この製品は、世界中の辺境の地を旅行中の人でも同社の衛星通信ネットワークを経由して電子メールやウェブ閲覧といった基本的なインターネット機能にアクセスできるようにするものだ。同社が発表したのは、一部のスマートフォンおよびタブレットにWi-Fi経由でウェブアクセスを提供する、「AxcessPoint」モバイルWi-Fiアクセスポイントである。
仕組みを説明すると、AxcessPointはIridium携帯電話に接続した後、Wi-Fi経由で「BlackBerry」や「Android」、Appleの「iOS」搭載スマートフォンおよびタブレットでネットワークに接続できるようにする。データ接続の速度は約2.4kbpsと非常に低速だ。しかし、Iridiumの最高経営責任者(CEO)であるMatt Desch氏によると、このくらいの速度があれば、電子メールの送受信やちょっとしたウェブ閲覧は何とかこなせるという。
「これはブロードバンドではなく、衛星データサービスである。Huluのストリーミング動画の視聴に使うものではない。携帯電話の電波が届かないような辺境の地を旅行中の人が、電子メールをチェックしたりウェブにアクセスしたりするためのものだ」(Desch氏)
確かに同サービスは一般的なワイヤレスユーザー向けのものではない。また、既存の携帯電話データサービスと価格や速度の面で競争することも想定されていない。同サービスの目的は、携帯電話サービスが利用できない場所へ旅行する人々に、スマートフォンを使用して電子メールを送信したり基本的なウェブサイトへアクセスしたりする機能を提供することだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス