NECは3月9日、次世代ネットワーク技術「OpenFlow」に対応したネットワーク製品「UNIVERGE PFシリーズ(プログラマブルフロー)」を発売した。5月上旬から出荷予定。同社によれば、OpenFlowに対応したネットワーク製品は世界初という。
プログラマブルフローは、ネットワークを集中管理・制御するプログラマブル フロー・コントローラ(PFC)「PF6800」と、データを高速転送するプログラマブルフロー・スイッチ(PFS)「PF5240R/F-48T4XW」で構成される製品。
これまで、各スイッチに一体化されていたデータ転送機能と制御機能を分離し、制御機能をPFCに集約。PFCがネットワーク全体を監視し、各データの最適な経路を判断してPFSに指示を出すことで、最適な通信経路を自由に設定できる。また、パケットの通信経路や状況などの統計情報を可視化するため、障害時には迅速に原因を特定できる。
さらに、需要に応じて増設できるため初期導入コストを約50%削減できるほか、通信量が少ない場合、複数の通信経路を集約したり、未使用スイッチの消費電力を抑制するため、消費電力も約40%削減できるという。
NEC執行役員の保坂岳深氏は、企業における仮想化技術を活用したサーバ統合やクラウド化が急速に進む一方で、ネットワーク運用には高度なスキルが求められたり、初期導入コストが高いといった課題があったと語り、プログラマブルフローでそれらを解決できると説明した。
価格は、PF6800が1000万円から、PF5240R/F-48T4XWが250万円から。NECでは今後2年間で200システムの販売目標を掲げている。
OpenFlowは、スタンフォード大学を中心としたコンソーシアムが規定するネットワークに関する技術とオープンなインターフェース仕様の総称。NECは2008年にスタンフォード大学と共同で、日米間の広帯域ネットワークを使用したOpenFlowの実証実験を実施したほか、2011年には独立行政法人情報通信研究機構(NICT)などと共同で、OpenFlow技術を用いた3D映像配信の実証実験を実施している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」