Flash対ウェブ技術の覇権争いで、後者の陣営にオンラインゲーム業界から強力な味方が加わった。ZyngaとWalt Disneyの2社だ。
Zyngaは、広くユーザーを集めている自社のオンラインゲーム「CityVille」と「FarmVille」の基盤に、現在はAdobe SystemsのFlashを主に使っている。しかし同社は、2010年秋にドイツの企業を買収して、ブラウザのプラグインではなく、ブラウザを使う技術による新しい基盤への準備を整えつつある。
Zynga Germanyの最高技術責任者(CTO)Paul Bakaus氏は米国時間3月2日付けのブログ投稿で、ZyngaがこのほどWorld Wide Web Consortium(W3C)に加入したことを明らかにし、今後はウェブを基盤としたゲームで得られた経験を伝えていくと述べている。Bakaus氏は、洗練されたウェブページでユーザーインターフェースの要素として使われている「jQuery UI」ライブラリの開発者だ。ZyngaはBakaus氏の会社だったDextroseを2010年に獲得している。
また、TechCrunchは3日の記事で、Walt Disney傘下のDisney Interactive Media Groupがフィンランドの新興企業Rocket Packを獲得したと伝えている。Rocket Packも、ウェブをベースとするゲームの基盤「Rocket Engine」を開発してきた企業だ。
ほかにもある。Motorola Mobility Venturesは3日、携帯機器とソーシャルネットワーク向けにウェブゲームを開発するMoblyngへの投資を発表した。
こうした動向はFlashの地位を危うくするほどになっているわけではない。しかし、技術をウェブゲームに利用することだけでなく、その基盤となる標準の開発への注目度が高まっていることを示す実例ではある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」