Microsoftの法律顧問兼シニアバイスプレジデントであるBrad Smith氏は米国時間1月20日の講演で、政府と企業に対し、クラウドに関する2つの主要な懸念であるプライバシーとセキュリティの問題に取り組んで、クラウドコンピューティングへの信頼を強化するよう呼びかけた。
Brookings Institutionの「Cloud Computing for Business and Society」フォーラムでの基調講演の中で、Smith氏は連邦政府に対しても、より多くの企業や消費者がクラウドへの移行を進めている現状を認識し、新法の制定や既存法の改正によって、コンピュータ詐欺やサイバー攻撃などの問題に対処するよう訴えた。
「さらに、政府は法律を近代化して、クラウド向けに改正し、プライバシー保護とセキュリティ促進のための新たな手段を講じる必要もある」とSmith氏は述べた。「未来に現在よりも遙かに多くの機会があることは、疑いようがない。しかし、クラウドコンピューティングの潜在的な可能性を全て引き出すためには、われわれが今、解決しておかなければならない重要な課題があることも事実だ」(Smith氏)
Smith氏は説得材料として、Microsoftが先頃、企業幹部と一般大衆のクラウドコンピューティングに対する印象を調査したときの結果を紹介した。Microsoftの委託によって2009年12月に実施されたこの調査では、一般大衆700人、IT幹部200人、シニアビジネスリーダー200人から話を聞いた。
同調査によると、58%の一般大衆と86%のビジネスリーダーは、クラウドコンピューティングの可能性に興奮を感じているという。しかし、90%以上は、クラウドで保管される自分のデータのセキュリティと可用性、プライバシーに不安を抱いている。Microsoftによれば、回答者の大半は、米国がクラウドコンピューティングを統制する法律およびポリシーを制定すべきだと考えているという。
Smith氏は講演の中で、連邦政府が、消費者を保護し、データのプライバシーやセキュリティなどの問題に対処するツールを政府に提供する「クラウドコンピューティング推進法(Cloud Computing Advancement Act)」を新たに制定することを提案した。さらに、Smith氏は、データのセキュリティ問題に対処するためには、情報が保管場所に関係なく保護されるように、国際的な対話を行うことが非常に重要である、と付け加えた。
「PC革命は斬新かつ極めて重要な方法で、個人に力を与え、テクノロジを民主的なものにした」とSmith氏は述べた。「クラウドへの移行が進む今、われわれはプライバシー権の保護とデータセキュリティの強化、国境を越えるデータの統制に関する国際的理解の促進を通して、その成功をさらに大きなものにし、個人の情報をたくさん含むよううになったテクノロジを保護しなければならない」(Smith氏)
Microsoftは法律を提案する中で、以下の具体的な法律の制定を政府に求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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