「iPhone」を狙う新たなワームが登場した。
前回見つかったiPhoneワームは、「脱獄」(ロック解除)状態のiPhoneの壁紙を、「リックロール」で有名な歌手Rick Astley氏の画像に変えてしまうだけだったが、今回の新しいワームは、個人情報を盗まれるおそれがある。
今回のワームは、オランダのISPが現地時間11月20日に存在を確認したものだ。その後、セキュリティ企業のSophosが報告したところによると、このワームの攻撃対象となるのは、脱獄済みのiPhoneと「iPod touch」だけだという。
Sophosは現地時間21日付けのブログ記事で、このワームは「従来のPCのボットネットのように指揮統制の手法を用いる」と述べ、ユーザーに注意を呼びかけた。「(このワームは)2つの起動スクリプトを設定する。1つは起動時にワームを実行するためのもの、もう1つはリトアニアにあるサーバへの接続を確立し、盗み出したデータをアップロードして、ボットマスターに制御を明け渡すためのものだ」とSophosは説明している。
脱獄とは、Appleの「App Store」で入手できないアプリケーションをiPhoneとiPod touchにダウンロード可能にするための手法で、2年ほど前から行われている。
Sophosによれば、このワームがユーザーを攻撃する事例が複数のISPで見つかっており、オランダのUPC、オーストラリアのOptusのほか、世界数カ国のT-Mobileでも報告されている。さらに悪いことに、このワームは3G回線経由よりWi-Fi経由の方が速く広まる。感染した端末のユーザーは、Wi-Fiを利用するとバッテリ寿命が極端に短くなることに気づくだろう。これはワームが「さかんなネットワーク活動」を行うことが主な原因だと、Sophosは述べている。
感染した端末には固有の番号が割り当てられるため、攻撃者は個々の端末を簡単に特定できる。このワームはまた、mTAN(携帯端末用の取引認証番号)という名称で知られる、SMSを用いた認証システムを見つけ出そうとする。Sophosによると、mTANは銀行がよく利用するシステムで、顧客が自分のオンライン口座にログインするさい、顧客の携帯電話にSMSでログイン用のパスワードを送信するものだという。
要するに、これは深刻な脅威だということだ。
Sophosは、このワームに感染したiPhoneまたはiPod touchのユーザーに対し、Appleが提供する最新ファームウェアにアップデートした状態に復元するよう勧告している。現時点で、この問題を解決する手段はほかにない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力